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現代人の不調の多くは「自律神経」が原因だった!

小林弘幸(順天堂大学医学部教授)

2018年08月13日 公開 2024年12月16日 更新

現代人の不調の多くは「自律神経」が原因だった!

ルーチン化で少しでもストレスのない生活を

自律神経の乱れが、現代人の不調の原因になっていると話すのは、自律神経研究の第一人者である小林弘幸氏。では、自律神経とは具体的にどんな働きをしており、どうすればその乱れを防げるのだろうか。自律神経の仕組みと、乱れを防ぐための生活習慣についてうかがった。(取材・構成=林加愛)

※本稿は『THE21』2018年8月号より一部抜粋・編集したものです

 

そもそも、「自律神経」って何?

昨今、ビジネスパーソンの方々様々な体調不良に悩まされていると聞きます。だるさや疲労感、食欲不振や胃もたれ、うつなどメンタル面のトラブルも。その原因をたどると、ほとんどが「自律神経の乱れ」に行きつきます。

そもそも自律神経とは、どのような機能を果たすものなのでしょうか。まずはそこからご説明しましょう。

脳はご存じの通り、人体の司令塔。脳からは中枢神経という神経の太い束が、背骨に沿って腰部まで長く伸びています。そこから細かく枝分かれするのが末梢神経。全身に細く張り巡らされる末梢神経には、体性神経と自律神経の二種類があります。体性神経が「筋肉を動かす」など、私たちがコントロールできる範囲の働きを司るのに対し、自律神経が司るのは体温調節や血流量など、意志とは関係なく働く部分です。自律神経はこれらを随時調整し、身体を一定のコンディションに保ってくれているのです。

 

「交感神経優位」には大きなリスクがある!

では、自律神経が「乱れる」とはどのような状態でしょうか。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。両者は「日内変動」というリズムに沿って、朝から日中は交感神経優位、夕方から夜中は副交感神経優位、と交替で活動します。交感神経が働くと血管が収縮して血圧や心拍数がアップ、胃腸の活動量は低くなる「緊張モード」に。副交感神経が働くときはその逆のリラックスモードになります。

この両方がしっかり働いて、かつ活動量のバランスがとれていれば理想的。アクセルもブレーキもしっかり機能する車のように、快調に過ごせます。

ところが今どきのビジネスマンは、交感神経にバランスが傾いているケースが大多数。なぜなら現代人の生活は、交感神経を刺激しやすい環境だからです。街は夜でも明るく、夜遅くまでパソコンやスマホのまぶしい画面を見る人が多数。さらには仕事のストレスや、現代社会ならではの情報過多も緊張を強いてきます。結果、高血圧や胃腸の機能低下、メンタル疾患などのリスクが高まるのです。

 

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著者紹介

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)

順天堂大学医学部教授

1960年、埼玉県生まれ。92年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程を修了後、ロンドン大学附属英国王立小児病院外科などの勤務を経て帰国。順天堂大学小児外科講師、助教授を歴任後、現職。自律神経研究の第一人者としてアスリートや芸能人のアドバイザーを務めるほか、TV出演などメディアでも活躍中。著書に、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『一流の人をつくる整える習慣』(KADOKAWA)など多数。

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