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桂歌丸さんが語った「古典落語へのこだわり」

桂歌丸(落語家)

2018年07月30日 公開 2024年12月16日 更新

桂歌丸さんが語った「古典落語へのこだわり」

<<笑点の歌丸としてではなく、噺家歌丸としてーー。「笑点」司会者を引退後も、古典落語の掘り起こしをより熱心に行い、高座にかけてきた桂歌丸師匠。

ここ数年は体調のこともあり、高座でも比較的短いネタをかけることが多かった師匠だが、自身の体調についておなじみ酸素吸入の管のエピソードを引き合いに、噺の枕で客席の笑いを大いにとった。

「笑いある人生」「先代たち、落語の神様へのご恩返しを」という歌丸師匠の、落語へのこだわりは並大抵のものではない。

歌丸師匠のお気に入りの演目のひとつである演目「後生鰻」を通して、古典落語への本人の思いを紹介したい。>>

 

サゲを変えれば印象もがらりと変わる

これ(「後生鰻」)は、小遣い稼ぎに目がくらんだ鰻屋の亭主と、信心深いご隠居さんの掛け合いが面白い小噺です。
もとは『淀川』という上方落語だったそうで、これを得意にしているのが五代目古今亭志ん生師匠でした。

高座にかけるにあたり、サゲをがらりと変えたんです。

もともとは、赤ん坊を川に放り込むという設定でしたが、それではどうも酷なんじゃないか。誰もがあっけらかんと笑ってくれると思いついたのが、放り投げるのを鰻屋の女房に変えることでした。

これで噺の印象がまったく違うものになる。でも、綺麗で優しい奥さんを放り込んじゃダメなんです。口うるさい女房になればなるほど、お客さんに喜んでもらえるんです。

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