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敵対する相手を味方に変えてしまうパワーワード「そもそも」

松本利明(人事・戦略コンサルタント)

2018年10月12日 公開 2024年12月16日 更新

敵対する相手を味方に変えてしまうパワーワード「そもそも」

<<外資大手コンサルティング会社で25年にわたり人事改革、人材開発を行ってきた松本利明氏。その間には、5万人ものリストラを担当し、一方で6千人のリーダーの育成も手がけた。人材の選抜のプロフェッショナルである。

その松本氏は『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社刊)を上梓したが、そのなかで「話し方・伝え方の課題が現場マネジメントの課題の9割」と述べる。

話し方・伝え方の問題をどう解決するのか? 松本氏が同書で"自分の話を伝えるための話法"を様々紹介している。その一節を紹介する。>>

※本稿は松本利明 著『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社刊)より一部抜粋・編集したものです
 

手間と時間をかけて"調整"することが本当に正解なのか?

立場の違いによる対立がトラブルを引き起こす原因となることがあります。それは立場や人により「利」が異なるからです。対立は避けられないものですが最小限にしたいものです。

対立した時、真正面から争うのは得策ではありません。現実世界では対立した時に100対0の圧勝はないからです。
相手だけではなくこちらも大きなダメージを負うことも多いのです。神経もすり減らし敵を多く作ります。相手を言い負かせて喜ぶのは三流です。

根回しの教科書には「対立すると相手はデメリットに目を向けるが、巻き込んで一緒に検討すると当事者意識が芽生え、メリットに目を向ける」から正解と書いてあります。

人間心理としては正解でしょう。ただしこれでは二流です。

それでは、手間と時間をかけ、神経をすり減らし、調整することがトラブル時に必要でしょうか。トラブル時の対立は1ミリも意味がありませんが、時間をかけて根回しする余裕もありません。

相手を抑え込むのではなく、トラブルを収拾して、なおかつ相手を勝たせる方向に瞬時に向けることが必須です。そんな夢みたいなことができるのでしょうか?

はい、できます。それも簡単にできます。

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仮想敵を設定して目的を共有すれば、無駄な時間や労力は生まれない

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