<<結婚相手を選ぶときは、今、お金があるかどうかではなく、これからどう変化する人かを見極めることを勧める中井耀香さん。経営者、スポーツ選手、政治家が、人生の岐路にアドバイスを求めてやってくる鑑定家としても知られる中井さんが、そう語る理由とは?>>
なぜ結婚相手に収入や資産を求めてしまうのか?
婚活をしていると、どうしても相手の収入や資産は気になってしまうものです。収入が低いよりは高いほうがいいし、将来も安泰な優良企業に勤めている人のほうが結婚相手として優れていると考える人が圧倒的に多いようです。
長く交際している恋人がいるのだけれど、彼の収入が安定せず職も転々としていて、将来に不安があるから結婚に踏み切れないという女性がいました。その女性に私は伝えました。
「彼の今の収入が、あなたの理想とする収入に届いていないとしても、将来もまったく同じ収入とは限らないんじゃない?
今以上に低くなることもあるだろうけど、もっと高くなることだってある。あなたが彼を励まして支えていけば、収入が上がる可能性はいくらでもあると思うよ。
将来が不安ということは、彼の可能性を信じていないということだよ。今の条件じゃなくて、未来に向けてどれくらい『のびしろ』があるかを見極めたほうがいいよ。
もし、まったくのびしろがないなら見切りをつけたらいいし、信頼できる要素がたくさんあるなら、彼を育てるつもりで思い切って結婚してみてもいいんじゃない?」
"今の収入=未来の収入"ではない
私が彼女にこのように伝えたのは、お互いへの信頼でかたくつながっている、あるご夫婦を思い出したからです。
結婚する前、2人は遠距離恋愛をしていました。遠距離ゆえに破局の危機が何度かあったのですが、旦那さんは、「今、彼女と別れたら、自分みたいな何の取り柄もない男には、一生恋人ができない」と危機を覚え、遠く離れた彼女の住む街に、結婚と同時に移り住みました。
結婚前からなかなか定職につけずにいた彼は、結婚してからも職を転々としていたそうです。
しかし、「このままではいけない」と一念発起して、わずかなお給料のほとんどを、仕事につながる勉強に費やしました。生活費に割けるお金は満足にありません。それでも彼女は彼を支え続けました。
文句一つ言わない彼女の姿を見てますますやる気が出た彼は、勉強の甲斐あって仕事で成功をおさめ、今では充分過ぎるほどの金脈に恵まれて夫婦仲良く暮らしています。
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「一文無しになったとき、この人はどうするか」という視点