経営者なのに経営者に見られない人が陥いる「見た目の失敗」
2019年03月01日 公開 2024年12月16日 更新
<<グローバルビジネスにおいて、「見た目」の重要性はいうまでもないだろう。時間をかけてお互いの距離を縮めるコミニケーションが得意な日本人に対して、外国とくに欧米人は、出会い頭の一瞬でその人の能力を読みとる習慣がある。
そのため、日本の政治家や経営者が海外に出向くと、存在感を示せず思ったような成果を得られなかったり、誤解を与えてしまうことがある。そんな「残念な」日本人にならないためにはどうすればいいか。
一般社団法人国際ボディランゲージ協会代表理事の安積陽子氏は近著の『CLASS ACT(クラス・アクト)』にて、印象を変えるふるまいと装いのテクニックを述べている。その一節をここで紹介する。>>
※本稿は、『CLASS ACT(クラス・アクト) 世界のビジネスエリートが必ず身につける「見た目」の教養』より抜粋・編集したものです)
経営者なのに経営者に見えない
ビジネスに限らずさまざまな分野で、世界中から高い能力を持った人たちが集まってくるニューヨークで、どうにかしてチャンスを摑もうとする人たちの意欲とエネルギーは凄まじいものがあります。
それは謙虚さを美徳とする私たち日本人の想像をはるかに超えているかもしれません。
たしかに、世界的にボーダーレス化が進むなかで、グローバルのステージで活躍する
日本人も増えています。ところが、日本人は、自分を魅力的に演出したり、上手にアピールしたりすることに慣れていないように私は感じています。
「装い」や「振る舞い」に関しても、どのような場所で何が求められているかを理解していない方も多く見受けられます。
私がニューヨークで、日本人についてよく耳にした評判は、「日本人のビジネスパーソンは見た目から、その人の立場を判断するのが難しい」といったものでした。
つまり、「役職と見た目が一致しない」ということです。
長らく続いた年功序列のせいでしょうか、日本人の経営者やエグゼクティブの方のなかには、立場が上がっても、その立場にふさわしい装いや振る舞いをされていない方が少なくありません。
せっかく素晴らしい内面や実績があっても、それが見た目から伝わらず、「もったいない」と感じることがじつに多いのです。ましてや、立場にふさわしいイメージを戦略的に作るという発想を持っている方はまだまだ少ないでしょう。
成功するか否かは「セルフ・ブランディング」で決まる
一方、アメリカでは、「相手からどう見えるか」ということは極めて重要なことと捉えられています。
印象によって実力を過小評価されてしまえば、決して得にはなりません。ポジションが上がるほど、その立場に合った見られ方をされるべきだと考えられているのです。
若い人が上司となり、年配の人をマネージメントすることも珍しくありませんから、若いリーダーたちはとくに、どのように自分を演出すべきかを意識しています。
私たちイメージコンサルタントの需要はそこにあるのです。
実際、アメリカでは多くのビジネスパーソンが、私たちのようなプロの力を借りて、「自分の見た目」を研究するようになっています。
そしていま、グローバルビジネスにおいて成功するためのカギは、「セルフ・ブランディング」にある、と確信しています。
「セルフ・ブランディング」とは、その人の資質や教養、知識、能力が、顕著ににじみ出る自分自身の装いや振る舞いを変革して、プレゼンス(存在感)を高めようとする試みです。
端的にいうと、「自分の装いや振る舞いを通して、自分がどういう人間かを一瞬で伝えられる」スキルです。
こうした意識や能力を持つ人と持たない人の差は、今後ますます広がっていくのではないでしょうか。だからこそ、私はそのお手伝いをしたいと考えているのです。
「日本のビジネスパーソンたちが世界で堂々と振る舞い、成功してほしい」