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大投資家ジム・ロジャーズが悲観する「日本の末路」

2019年08月05日 公開

ジム・ロジャーズ(投資家)

 

この10年でお金の流れは激変した

いま世界を見渡すと、借金がない国は北朝鮮くらいしかない。借金はどの国でも天井知らずに膨れ上がり、いずれの国も緊縮財政について検討を重ねている。どの国も紙幣を刷りまくっていて、まるで紙幣印刷コンテストをやっているかのようだ。

金利が上がり、問題が生じてくると、人々は中央銀行に助けを求める。彼らは官僚や学者だから、「わかった、あなた方を助けよう」と言う。そして「助け」として紙幣をありったけ刷る。市場は活気を帯び、助かったと思う。

しかし官僚や学者は、紙幣を刷った後のことなど何も考えてはいないのだ。長期的に見て、紙幣の乱発には効果がないことはわかりきっているのに。

ただ、紙幣の印刷を突然やめるのも、さまざまな経済問題を生じさせることになる。恐らくアメリカからその問題は生じ、経済は最悪な状態になるだろう。借金の規模が1番大きいからだ。アメリカがきっかけで、第2、第3、第4の経済大国が問題を抱えることになる。

ここ10年でお金の流れはずいぶんと変わった。リーマンショック後、世界中でやたらと紙幣を刷るようになった。日銀は無制限にお金を刷ると宣言したし、イギリス銀行は何がなんでも必要なことはやると言った。アメリカは刷らなければならない分は刷ると言った。結果、史上最悪の下げ相場がいままさに起ころうとしている。

ここ数年で起きた出来事はすべて、もうすぐ甚大な経済問題が起きることを意味している。リーマンショックから約10年が経ったいま、いつ何が起きてもおかしくない。

日本国内の財政をのぞいてみると、腰を抜かすほどの赤字になっている。日本が抱える長期債務残高は、2017年末の時点で地方を除いて国だけでも約898兆円。

しかも、その額は年々増える一方だ。これだけの借金を返すために公債を発行し、その借金を返済するためにまた公債を発行──と、どうしようもない悪循環に陥っている。借金の返済には、若者や子どもたちの世代が将来大人になった時の税収などが充てられる。将来世代へと負担を押しつけ続けていることになるのだ。

債務が大きい国は、常にひどい姿になって終焉する──。こういうことは、すべて歴史が教えてくれる。

 

いつか「安倍が日本をダメにした」と振り返る日が来る

だから、日本の将来を危惧しなければならない。私自身、心から案じている。少子高齢化、人口減少。移民も受け入れない。にもかかわらず高齢者は増える一方なので、社会保障費などの歳出が増え続けていくことになる。それを賄うために、また国債が増えていく。

いまの日本の状態は、「紙幣を刷れば株価が上がる」という市場の原理に則っているだけだ。アベノミクスが成功することはない。安倍政権の政策は日本も日本の子どもたちの将来も滅茶苦茶にするものだ。いつかきっと「安倍が日本をダメにした」と振り返る日が来るだろう。

日本の長期債務残高はここ10年弱で増加の一途を辿っている。この10年で近隣のアジア諸国がどれだけ力をつけたかを鑑みると、両者間の落差には目眩がするような思いだ。アジア全体は莫大な資産を持っているのに、いくつかのアジアの国、特に日本は莫大な借金を抱え込んでしまった。

もし私が10歳の日本人だったとしたら、日本を離れて他国に移住することを考えるだろう。30年後、自分が40歳になった頃には、日本の借金はいま以上に膨れ上がって目も当てられない状況になっている。一体誰が返すのか──国民以外、尻拭いをする者はいない。

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