
つらい瞬間にそっと寄り添いなぐめてくれるのは、本やドラマ、歌からの言葉かもしれません。自分の内で燻る気持ちや誰にも話せない心だからこそ、知らない誰かがちりばめた言葉に救われることもあるでしょう。詩人のラビンさんは、自分がそんな言葉に救われてきたことから、自身の言葉も誰かの救いになればと言葉をつむぐようになりました。ラビンさんのまっすぐな言葉は、ささくれた心をやさしく包み癒してくれます。
※本稿は『死にたいんじゃなくて、こんなふうに生きたくないだけ』(&books/辰巳出版)を一部抜粋・編集したものです。
恋しさとは
恋しさとは、幸せだった記憶のなかで湧きあがる感情だという。でも、幸せでなかった瞬間さえ恋しいと思うなら、 それは自分でも気づかないうちにすべての瞬間を愛し、幸せだったということ。
もし、恋しいと思う瞬間がたくさんあるのなら、それは良い人生を歩んできたということ。 食いしばり、耐えぬき、一生懸命生きてきたという証。
人生でもっとも役に立たなかったこと
他人の目ばかり気にして、自分を気づかわなかったこと。
過ぎたことに執着しすぎて、愚かな振る舞いをしたこと。
自分を愛さなかったこと。
起こりもしないことを心配して、 ずっとびくびくしていたこと。
「大丈夫」ということばが 口ぐせになってしまったこと。
自分を大切にしてくれない人たちとの関係を無理やりうまく続けようと努力したこと。
望むことややりたいことに勇気を出せず挑戦できなかったこと。
自分らしくない過去を後悔しているのなら、 こうした行動はやめて、自分のために生きること。 自分が一番幸せであってこそ、 周りに手をさしのべられる。
忘れないで。一番大事なのは、あなた自身なのだから。
3つの嘘
「大丈夫」
「元気だよ」
「ご飯もしっかり食べて、最近はぐっすり眠れてる」
愛する人たちに心配をかけたくないから、安心してほしいから、だからこそこんな噓をつく。だけど、話し方を変えても声でバレる。元気じゃないし、ご飯もろくに食べていないし、ちゃんと眠れていないと、愛する人はわかってる。愛しているから。
愛していれば、相手の小さな変化にも気づく。あえてそれ以上は聞かずに、気持ちを伝える手紙を書いたり、元気が出るものを送ったり。延々と小言を並べたてるのも、時には沈黙を保つのも、思いやりと愛があるから。愛する人にはすぐバレてしまう、3つの噓。
文とことばと本
生きるのは、どうしてこんなにつらいの?
そう思う瞬間がある。
逆に、こんなに幸せでもいいの?
そんな瞬間も訪れるはず。
私が進む道なき道は絶対に間違っていないと信じれば、きっとそれが一番の近道になる。
「心配しないで」
「大丈夫」
「すべてうまくいくから」
「がんばっているね」
誰かが手をさしのべて、「大丈夫だよ」と励ましてくれたら。
そう願いながら、ありふれたことばに救いを求めている。
不安にひとりで立ち向かい、前に進むわたしに勇気を与えてくれる、誰かのあたたかい一言。
そのことばを信じて、わたしはまた、前に進むのだ。
ありふれた一言が、時にはわたしを救ってくれる。
文、ことば、本。
そのすべてが、わたしを救う力。