医者が「じっくりと診てくれる」時間帯はいつなのか?
2019年08月23日 公開 2024年12月16日 更新
一般病院もクリニックも午前中は大忙し
一般病院では、医者は病院にだいたい8時半ぐらいに来るのが一般的です。入院中の患者さんのいる病棟で診察をして、9時から外来です。一般病院の場合は外来開始が遅れるとクレームが大きいので、開始の遅れに厳しいところも多いです。
9時から怒涛(どとう)のように患者さんを診るため、11時か12時が受付終了でも、実際は13~13時半に終わります。午後は14時からなので、それまでに昼食をとります。ただ、人気医師やかなり混む病院ですと、午後の診察時間までずれ込むことがあり、昼食抜きとなることもあります。
14時からの午後の診察が始まると、またまた患者さんが殺到。ただし15時ぐらいになると、少し落ち着きます。そして16時を過ぎるとまた患者さんが増えて、最終診察時間となります。
緊急の要件は、大学病院ほど多くはありません。そのため18時か19時には終わることが多い。緊急が入った場合は20時~21時ということもあります。
クリニックの場合は病棟の患者さんがいないため、9時または10時開始で時間通りに始まります。外来は、午前中は混みます。
とはいっても、重い病気の患者さんが少ないため診察時間は短くて済むので、予定よりも30分以内の遅れで診察できることがほとんど。食事を兼ねた昼休みは、そこそことれます。
午後は14時からで、開始直後は患者さんが多いですが、15~16時は空いています。閉まる寸前に患者さんが来ることもありますが、それでも30分以上遅くなることはめったにありません。
医者が最も余裕のある時間は午後の診察開始1時間後
病院の規模が変わっても、医者が最も余裕がある時間帯は、15~16時頃となる。
以上はあくまでモデルケースですが、よくあるパターンとなります。つまり、医者が心の最も余裕がある時間帯は15~16時頃、午後の診察開始から1時間程度経った頃となります。この時間帯が、お勧めの受診時間となるのです。話をいつもより丁寧に聞いてくれることも多いです。
どうして患者さんの混雑具合が先で挙げたようになるかというと、患者さんの立場にしてみると、長くかかる病院は午前中に済ませたいし、せめて午後一番には終わらせたいからです。
その次に多いのが、診療時間終了間際になって「明日になる前に」と思って受診する患者さん。
ちなみに、終了間際はスタッフのモチベーションがかなり下がります。疲れていたり、お腹が空いてきていたりしているからです。追加の診察が入って定時に帰れなくなると、「えーっ、もう帰れると思ったのに…」と、口には出しませんがそう思っています。
経済情報サイト『SankeiBiz』の調べによると、一般職員の過労死予備軍(平均労働時間300日以上・週75時間以上)は1.2%ですが、勤務医ですと14.5%にのぼるといわれています。それだけ勤務医は、労働時間が長いのです。