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クールジャパンよりも…「日本最大の輸出資源はトイレ」と“WTO創設者”が断言する理由



2019年10月31日 公開

ジャック・シム(訳 近藤奈香)

 

トラック運転手のトイレ問題

ミスター・トイレことジャック・シム

私は個人的には、先進国においてはジェンダーよりも、むしろ業界ごとのトイレ事情について、改善の余地に期待をしたい。たとえば、アメリカのトラック運転手などの運輸業に従事する人たちのトイレ事情は悲惨である。

女性が少ないため、女性専用のトイレがなくて女性が男性と共同のトイレを利用しなければならないことは日常茶飯事だ。またトイレ自体の状態も良くない。高速道路では、一般車とトラックでは駐車スペースも休憩スペースも異なる場合が多く、トラック運転手などが利用できるトイレ環境はひどい場合が多いのだ。

都心部ではなく、大自然を見ると、またここにはトイレの問題が山積している。エベレストのトイレもひどいものである。トイレ、というかトイレはないため、登山者は皆、エベレストへの通り道で用を足すわけだ。糞尿は凍り付き、誰も掃除していない。

こうした美しい大自然も糞尿で汚染されているのだ、それもこの場合は新興国を訪れている多くの先進国の人々によって、である。

 

日本の真なるソフト・パワー

こう考えた時、日本の最大の輸出資源は、日本のトイレ文化だと言いたい。

日本にはソフト・パワーがある。マンガといったコンテンツはもちろん、「高品質」が最大の武器でもある。

日本食、音楽、「カワイイ」文化……これらはよく知られていることだが、ここに「トイレ」を追加すべきなのだ。それはインフラという意味ではなく、トイレ文化という意味のトイレである。

確かに、世界を見渡すと、日本のトイレは最高だと絶賛されている。日本政府は日本のトイレ技術がその勝因だと思っている。

それは事実だが、私にとってそれはほんの一部の話でしかない。トイレ文化こそが、日本の素晴らしいソフト・パワーなのだ。

トイレをとりまく、社会・文化・トイレに対する水準・期待値──すなわち、次に使う人のことを考える気づかい、清潔にしよう、丁寧にものを扱おう、といった気持ち。こうした、日本人にとっては空気のように当たり前だと思われていることこそが輸出すべきものなのだ。

私は、もし日本でトイレ・サミットを行うのであれば、日本のトイレのソフト・パワーを輸出したいと考えているところである。



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