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「老後2000万円」時代に、会社を辞めずに“小金持ち”になる方法

成毛眞(HONZ代表)

2019年12月06日 公開 2024年12月16日 更新

「老後2000万円」時代に、会社を辞めずに“小金持ち”になる方法


(写真=岡村大輔)

まず「お金」について考えるにあたって、想像してみてほしい。

あなたにとって理想の暮らしとはどんなものか? それを続けるために、どれだけのお金が必要か? あなたの人生にとっては、そのために必要な分の資産があればよく、逆にいうとそれ以上は稼ぐ必要がない。

「将来が不安だから少しでも多く稼ぎたい」とか、「一生かかっても使いきれないほどのお金が欲しい」とか思っているのならば、それは子供じみたほど臆病か、愚かしいほどの強欲だ。

いくら稼げばいいのかというゴールを定めた上で、自分がしたい生活とその維持に必要な資金が、現時点で足りないとしよう。そのとき初めて、いつ、どうやってゴールに到達すればいいか具体的に考えるのだ。たとえば手持ちのお金で金融商品を買うという選択肢が出てくる。

『金のなる人-お金をどんどん働かせ資産を増やす生き方-』を上梓した、元日本マイクロソフト社長で「HONZ」代表、成毛眞氏が「借りる」でも「貯める」でもない、「会社を辞めずに資産を増やす」投資について語る。

※本記事は、成毛眞著『金のなる人』(ポプラ社)より、一部を抜粋編集したものです。
 

最低限、投資でリスクをとる

あなたが「お金持ちになりたい」と思っているとする。そして、職業がサラリーマンだとする。私がアドバイスをするとしたら、「今すぐサラリーマンをやめなさい」ということだ。

断言するが、リスクをとらない人は、大きなお金を稼ぐことができない。大きなお金を稼ぐ唯一の方法は、サラリーマンをやめることだ。

ラーメン屋を始めるにしろ、会社を起こすにしろ、全財産を金融商品に投資するにしろ、サラリーマンをやめなければ話にならないのだ。

リスクをとれる人はお金持ちになれる可能性があるが、もちろん失敗する可能性もある。

例をあげよう。あるチャレンジの成功率が30%だとする。一度の挑戦で成功する確度は低いが、チャレンジを3回も繰り返せば、成功する可能性はかなり高い。だが、リスクをとらない人は最初の1回の挑戦をしない。つまり永遠に成功できない。実に単純な話だ。

だから、お金持ちになりたい人にかけるべき言葉は、「サラリーマンをやめなさい」になるのだ。だが、いい歳をした大人が軽々しく仕事を失うリスクをとるのは、実際なかなか難しいだろう。

大きなリスクをとれる人というのは、勇敢なわけではなく、単にリスクを感じとる能力に欠けているだけかもしれないのだ。

私自身を含めた起業家は、何かに失敗したとしても、それを失敗だと思わないような性格の持ち主であることが多い。

サラリーマンを続けながら、少しでもいいから資産を増やしたいというならば、とるべき手段は投資だろう。金融商品を買うことだ。

きちんと給料を稼いで、まともな金融商品を買っていれば、「老後資産が2000万円足りない」と嘆くようなハメにはならない。これは最低限とらなければならないリスクだ。

金融商品にもいろいろあるが、資本主義が始まって以来、一番価値が上昇したものは株式だ。ダイヤモンドでも金(ゴールド)でも、現金でもない。

たとえばだが、アップルが1980年12月12日にIPOしたあと、1000ドル投資していたら、現在の価値はおよそ800万ドルだ。もし、アマゾンの1997年5月15日のIPO後、1000ドル投資していたら、現在の価値は約86 万5000ドルである。

というわけで、株式投資をおすすめするが、生株は好きな人がやればいい。そうでなければ、プロが作った商品を買うことをおすすめする。

私自身は、金融商品でお金を増やすことには興味がないので、国債ミックスのファンドを買うことが多い(妻は「ボンカレーがもらえるから」などと言って株式優待を目当てに個別株を買っているが)。

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カネは貯めずに借りずに、投資しろ!

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