「発信力のない地味な人」こそ起業に向いている理由
2019年12月13日 公開 2024年12月16日 更新
会社が逃げ切り世代以下の個人の人生を保証してくれなくなった今、嫌な思いや納得感を抱えたまま会社に残る必要があるのか。そんな考えが頭をよぎっても、転職や独立するような自信もない。「このまま、会社にいるしかないのか? 」と悩みや焦りを感じている人は少なくないだろう。
「地味な起業」を実践することで、今の会社にいても、辞めても一生食いっぱぐれない…そんな生き方を目指すべきと語る田中祐一氏は、「普段やっていること」をお金に変え経済的に自立する新しい働き方を提案し注目を集めている。
ここでは田中氏の著書より、一部の才気あふれる人だけにしかできない「派手な起業」と多くの人がその資格を持っている「地味な起業」の違いを解説した一節を紹介する。
※本稿は田中祐一著『僕たちは、地味な起業で食っていく』(SBクリエイティブ)より一部抜粋・編集したものです
「ごく一部の天才」にしか実現できないことを真に受けない
「自分をブランド化しよう!」
「自分の『才能』を武器にしよう!」
「影響力のあるインフルエンサーになろう!」
今、世の中には、このようなメッセージがあふれています。皆さんの中にも、自分をブランド化するために、せっせと情報発信に励んでいる人もいることでしょう。
たしかに、ソーシャルメディアによって誰もが自由に発信できる時代です。「好きなこと」「得意なこと」を発信することで、たくさんの支持者を集め、収入に結びつけている人がいるのは事実です。成功しているユーチューバーとか、オンラインサロンの主宰者みたいな人たちですね。
そういう人たちには発信する力があるので、「好きなことで食べていこう!」「行動した人が勝つ!」みたいなメッセージをあおるように畳みかけます。メッセージに感化されて、うかうかしていられない気持ちになるのもよくわかります。
でも、ちょっと待ってください。
冷静に考えると、現実に「好きなこと」「得意なこと」で食べていけるのは一部の限られた人だけです。
おそらく、100人に1人、下手すると1000人に1人くらいの割合ではないでしょうか。残りのほとんどは、特別なスキルを持っているわけでもない、ごく普通の人です。
「好きなこと」「得意なこと」で食べていくどころか、どれだけ頑張っても「好きなこと」「得意なこと」を見つけ出せなかった僕がいうのですから、間違いありません。
「好きなこと」「得意なこと」で食べているインフルエンサーに乗せられるまま、同じ土俵に上がろうとしても、勝ち目がないのは明らかです。だったら別の土俵で稼いだほうがいいに決まっています。