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人事を尽くして天命を待つ……松下幸之助 心軽やかに生きるコツ

2020年02月04日 公開

大江弘(PHP研究所経営理念研究本部 主席研究員)

松下幸之助
 

日に新た

いつまでも過ぎ去ったことを悔やんでいたところで何にもなりません。起こってしまったことは今さら変えることはできない。自分の失敗をよく反省し肝に銘じたならば、あとは振り返ることなく前を向いて歩むことです。今さらどうしようもない過去を悔いる暇があるなら、これからのことを考える。そのように切り替えてこそ心軽やかに前向きに歩いていくことができます。

経営者である松下幸之助は、たえずさまざまな決断を下さなければなりませんでした。その決断の中には成功したものがあれば失敗したものもあったはずです。もとよりいつまでも思い悩んでいたのでは、明日、明後日のことに発想を広げることができないでしょう。また時代の流れにもついていけなくなってしまいます。松下は次のように述べています。

「きのうはきのう、きょうはきょう。きのうの苦労をきょうまで持ち越すことはない。『一日の苦労は一日にて足れり』というように、きょうはまたきょうの運命がひらける。きのうの分まで背負ってはいられない。毎日が新しく、毎日が門出である。日々是新なれば、すなわち日々是好日。素直で謙虚で、しかも創意に富む人は、毎日が明るく、毎日が元気。さあ、みんな元気で、新しい日々を迎えよう」

毎日を新たな清々しい気持ちで始めることができれば、元気に勇気をもって事にあたることも、過去の反省を踏まえ創意工夫を凝らして挑戦することもできます。自ずと成果も上がりやすくなるでしょう。大事なことは毎日を新たな思いで過ごすことです。

ところが往々にして私たちは、清新な思いで一日を始めることができません。つい昔の成功・失敗などの体験、先入観、偏見、私利私欲にとらわれがちです。もっと自由自在に考えることができるはずなのに、そうした心の不自由さが、悩みを乗り越える道が目前にあっても見逃してしまうことになる。やはり一日一日を、日に新たな気持ち、軽やかな心で歩くことが大事なのです。

「ものには見方がいろいろあって、一つの見方がいつも必ずしも一番正しいとはかぎらない。時と場合に応じて自在に変えねばならぬ。心が窮屈ではこの自由自在を失う。だからいつまでも一つに執して、われとわが身を縛ってしまう。身動きならない。そんなところに発展が生まれようはずはない。万物は日に新たである。刻々と変っていく。今日は、もはや昨日の姿ではない。だからわれわれも、今日は今日の新しいものの見方を生み出していかねばならない。お互いに窮屈を避け、伸び伸びとした心で、ものを見、考えていきたいものである」

伸び伸びとした心、自由自在な心、すなわち軽やかな心で生きていればこそ、新たなものの見方考え方ができ、創意工夫も生まれてくるというわけです。松下幸之助にとって日に新たな心とは、お互いが成果を上げつつ楽しく幸せに暮らすための一つのコツだと言えるでしょう。

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