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データが示す「結婚すれば幸せ」とは断言できない理由



2020年02月12日 公開

ダニエル・ネトル (著), 金森重樹 (監修), 山岡万里子 (訳)

結婚した人ははたして本当に幸せになったのか? そもそも幸せとはなんなのか?

「幸せの」正体を研究し続けた、英国の心理学博士であるダニエル・ネトル氏の著書'Happiness: The Science Behind Your Smile'の邦訳版は長らく絶版で入手が難しい状態ととなっていましたが、2020年1月に『幸福の意外な正体』と改題の上、復刊されました。

本稿では、同書より男女の幸福感の違い、そして結婚が本当に幸福感を生むものなのかについて考察した一節を紹介します。

※本稿は『幸福の意外な正体 私たちはなぜ「幸せ」を求めるのか』(ダニエル・ネトル 著、金森重樹 監訳、山岡万里子 著)より一部抜粋・編集したものです。

 

女性のほうが幸せを感じやすい?

内閣府男女共同参画白書で公開されている「幸福度の生活満足度」(平成12年度-平成22年度 ※参考1)によると、最新の22年の「現在幸せである」と回答した者の割合は、男性が28.1%、女性が34.8%と女性が上回っています。

そして、すべての調査年度において必ず女性のほうが「幸せである」の割合が高いのです。これを見ると、女性のほうが男性より幸せと感じている人の割合が多いのが読み取れます。

女性に限らず人はみな「幸せ」になりたいと思っています。そもそも幸せとは何なのでしょうか?

お金があって、ほしいものがすべて買えること?好きな人と生涯を共にする約束を交わし、心身ともに満足する生活を送ること?

幸せの基準は人によって千差万別、あまりに主観的であいまいなので定義しづらく、進化論、脳科学、社会学、心理学、経済学など、あらゆる分野で行われた「幸せに関する研究結果」が行われてきました。

男性よりも女性のほうが不安や畏れ、悲しみ、あるいは恥や罪悪感などの社会的な感情を強く抱いていることが多くの研究から明らかになっています。

それは、生活の中でのネガティブな感情(みじめさ、心配、いら立ち、無力感など)についてです。そこでは男性より女性のほうがはるかにこれらの感情に苦しんでいる様子が見て取れるし、健康状態についての問いを見ればうつ病で治療を受けているのは女性のほうが多いのです。

なぜ、女性は、よりみじめでありながら、同時に、より幸せでもあり得るのか?日常的に感じるネガティブな感情とポジティブな感情は、どちらかが多ければどちらかが少なくなるという性質のものではないこと、そして生活満足度はその両方から影響を受けるということではないのです。

つまり、女性はネガティブな感情もポジティブな感情も、どちらもやや強めに持つものなのです。

女性がより激しい感情を抱くことをめぐっては、実際の感覚がそうなのか、あるいは表現が大げさなだけなのか、そしてもしそれが前者であったとして、感情とその表現はそもそも区別できるのか、という議論が続けられています。

いずれにせよ、女性が男性よりも強い感情を体験していることは間違いなさそうです。

※参考1  男女共同参画局の公開データ「1-特-28図 幸福度と生活満足度(男女別)」よりhttp://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h26/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-28.html

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