「読まれる文章の3大ポイント」とは?~1人で1億PVを達成したムーギーキム氏が綴る「文章力」の神髄
2020年02月26日 公開 2024年12月16日 更新
多くの人は、「教訓」よりも「共感」を求めている
第3の需要を大きくする要素が、意外なことに「わかりきった当たり前のことを書いて、共感を誘う」ことだ。
これは私が尊敬する東洋経済の敏腕編集者・中里有吾氏に言われて半信半疑だったのだが、あまり執筆内容を高度にすると「自分の世界と違う」と思われて、大多数の人は離れていってしまうというのだ。
もちろん「30年後の自分は、あと30歳年をとっている」級の、とんでもなく当たり前な話ばかりだと、さすがに「目新しさがなかったです」と怒られてしまう。
両方の要素をバランス良く配合することが重要で、総じて「誰でも知っている当たり前のことを8割くらい、新しい内容は2割くらいにする」のが良いというのだ。
これは確かに一理ある。多くの人は教訓よりも共感を求めているものである。「私もそう思う!」と一緒に大合唱したいという欲求を持っているため、あまり自分ができていない目新しいことばかり書かれても、「私が全然できてないことばかりだ……」と悲しくなり、共感して読んでくれなくなってしまうのだ。
こう考えれば、テレビのコメンテーターが、視聴者に賛同されそうな「当たり前でつまらないこと」しか言わないのも、ご理解いただけるだろう。
彼らは、平凡だからつまらないことしか言わないのではない(中には本当にヤバめの人もいらっしゃるが)。多くの人に当たり障りなくても同意してもらえることを言うほうが、安心感と好感度が高いからこそ、「真実か事実かどうかは別として、一見当たり前で、視聴者が賛同しそうなこと」しか言わないのだ。
もちろん読み手のタイプや文章の目的によってこのバランス割合は変わってくるだろう。しかし総じて重要なのは、広く読んでもらう文章を書くためには、自分がインスピレーションを感じる関心事項を、時事性や「誰にでも当てはまる自分ごと」につなげながら、共感と目新しさをバランス良く意識し執筆するという3大ポイントなのである。
【教訓】
広く読まれる文章を書くには、伝えたい内容を時事性や誰にでも当てはまる身近な事柄に絡め、安心感と目新しさのバランスに配慮することが重要。
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ビジネスコミュニケーション能力を、誰でも簡単に世界最高水準に高めるための「コミュ力の教科書」をコンセプトに執筆された、新刊『世界トップエリートのコミュ力の基本~ビジネスコミュニケーション能力を劇的に高める33の教訓』より抜粋・加筆。