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会社に「空気読みすぎ」の若者が増えてしまった理由  「機嫌がいい人」に学ぶストレス予防法

有川真由美(作家/写真家)

2020年02月27日 公開 2024年12月16日 更新

 

とんでもない上司はどこにでもいる

有川真由美

── 機嫌が悪い人を前にした場合はどうしたらいいですか?

会社で「空気読めよ」みたいなオーラを放っている人がたまにいますけど、カッコ悪いですよね。それが許される空気があるからそういう人がいるわけで、まわりを不快にしないのがマナーで、そんな威圧的な空気を出すのは恥ずかしいという空気になればいいですね。

目の前に苦手な人がいると、どうしても嫌なところばかりをクローズアップして見がちになります。そうではなく、嫌な部分もその人の一つの特徴ぐらいな感じで見ておくことが大切です。

それはそれとして接するんです。この人はこういうことをしたら機嫌が悪くなるだろうなという想像力も働くようになって、だんだん慣れてきます。

そして、苦手な人を前にした時に、自分にとっていいこと、メリットを一つ見つけることが重要。私だったら「そういう人に“人間力”を育ててもらってるんだ」と思うようにしています。それだけで受け取り方も変わってくると思うんです。

苦手な人からは逃げる・離れるという手段もありますが、それは最終手段。これ以上いったらさすがに厳しいという段階で逃げればいいと思います。とんでもない上司というのはどこにでもいるもの。一度乗り越えたら自信に変わり、「その辺の鬼上司なんか可愛いもんだ」と思えるものです。

仲のいい人とだけ楽しくやっていくことは、精神衛生上はいいと思います。ですが、多少摩擦があった方が、人としては成長があるものです。

 

空気を読みすぎてストレスを溜める前に、心の余裕をつくろう

── 最近は昔よりも喜怒哀楽の感情の起伏が小さくなっているとも聞きます。そのあたりはどう思いますか?

時には喜怒哀楽を出してもいいのではないかと私は思いますね。怒ってもいいし、泣きたい時は泣いてもいい。男性も、喜怒哀楽や機嫌に目を向けて過ごしてもいいのではないでしょうか。ただし、TPOをわきまえることは大事ですが。感情を出さずに自分の中にしまうと後でストレスのシワ寄せがやってきます。

昔、「Noを言えない日本人」という皮肉な言葉がありましたが、「嫌」と言えない人は本当に多いと思います。まわりに合わせているけれど、その裏で何を考えているかわからないという不安が残ります。

それよりも、ハッキリと、というかサラリとモノを言える人が増えた方が人への理解が深まって、関係も深くなれるんじゃないかと思います。現代は「〇〇しなくてはいけない」みたいな暗黙のルールがいつの間にか増えてしまった。自由にしていい範囲をもう少し増やしてもいいのではないかと思いますね。

子どもを友だちや親族に預けられないお母さんが増えていると聞きます。頼む際にいろいろ考えてしまって簡単にものを頼めないんだそうです。これは逆に、相手が簡単に断ってくれるような関係ならば頼みやすいはずなんですよね。

できない時は「今回はできない」とちゃんと言えることが大事。そこで気を遣って頼めないことや、NOを言えないことが逆にコミュニケーションや人間関係を希薄にしてしまうんです。

頼ったり頼られたり、断ったり断られたり、いいところもよくないところもあったりしても、相手を受け入れている気持ちや、思いやりの気持ちが感じられたら、関係は続いていくのではないでしょうか。

これからの時代は、人は「信頼」によって繋がっていくように思います。人間関係を成り立たせていくのは「正直さ」があってこそです。わかりにくい人とは人間関係は構築できない。まわりに合わせるほうがラクなようですが、それだけでは自分を守っていけなくなります。

空気を読みすぎると、気づかぬうちにストレスが溜まっているパターンに陥ります。ぜひ本書を読んで、機嫌がいい人の習慣を今のうちから取り入れて、心の余裕をつくって、ストレスの少ない生活を送ってほしいなと思います。

著者紹介

フライヤー(flier)

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