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「部下の話にまったく耳を貸さない」上司への"正しいあきらめ方"

伊庭正康(らしさラボ代表)

2020年02月26日 公開 2024年12月16日 更新

「部下の話にまったく耳を貸さない」上司への"正しいあきらめ方"

年齢を重ねると頭が固くなってしまうのは、仕方がないことだと言われがちだ。とはいえ、スピードとイノベショーションが求められる現在のビジネス環境のなかでは、決定権者の「頭の固さ」が機会損失やロスを生み出してしまう可能性も否定できない。

新著『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』を上梓した伊庭正康氏は、同書において忖度やイエスマン化ではなく、上司の「不足している点」を積極的にフォローすることで、影響力を発揮する行動「フォロワーシップ」を解説している。

とはいえ思考が硬直化してしまった上司やトップの下で身動きが取れないことも考えられる。そんなときにどうするのか? 本稿では同書より、その解決法について触れた一節を紹介する。

※本稿は伊庭正康著『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている 上司と組織を動かす「フォロワーシップ」』より一部抜粋・編集したものです。

 

仮に間違っていたとしても、簡単に聞き入れてはくれない

風邪は自然治癒します。人の体には自己回復機能があるからです。

しかし、職場の問題にはその機能がないので、火事のごとく問題は延焼する。

「頭の固い上司」につける薬はない。
「過去と他人」は、変えることができない。

これは、多くの心理学者が使う言葉。交流分析を提唱したカナダの精神科医、エリック・バーンの言葉が特に有名です。

さて、問題は「頑固なまでに考え方を変えない上司」に遭遇した際に、どう対処するのかです。

先に結論を言います。あきらめる必要はありません。
ただ、必要以上に頑張る必要もありません。

その時は、 "頑固な上司"にアプローチを繰り返すのではなく、「作戦を変える」ことです。

20代の頃、失敗したことがありました。昔話として聞いてください(今は、そんな状況はありません)。

上司の指導法に疑問を呈したことがありました。

後輩たちが相談にいくと、「で、君はどうしたいのだ?」と答えを言わずに聞き返すスタイルだったのです。狙いは主体性を促すことだと言っていました。

でも、問題がありました。新人が不満を感じていたのです。

新人には、最初のうちはきちんと教えないと、考えることすらも難しいものです。

指導のセオリーでは、新人には「ティーチング(細かく教えること)」が正解ですので、この上司がやっていたことは経験則(間違った経験)でしかなかったわけです。

私は、上司に「新人には早いのでは」と提言をしました。
しかし、上司にこう言われたのです。

「君は、指導というものをわかっていない。私は彼らの主体性を引き出すことが大事だと思っているので、考えさせることが必要だと考えている。ほかの人はそこまでやらないだろう。だから、私が代わりにやっているのだ」と。

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さっさと、作戦を変える

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