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親との関係が生み出した「嫌われたくない病」に苦しむ人々



2020年05月08日 公開

加藤諦三(早稲田大学名誉教授、ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

いつも人から嫌われ、騙され、人間関係が上手くいかないのは何故か。その原因は幼少期の親との関係にある、と加藤諦三氏は指摘する。幼少期に親から愛されなかったという理由で、現代のペストとも言える「嫌われたくない」病にかかり、大人になっても“愛されない悪循環”におちいるという。

加藤諦三氏の名著『愛されなかった時どう生きるか』より、親、子供、恋人、友人…からまった人間関係をリセットして、のびのびと生きるにはどうしたらよいか、親からの愛を享受できなかった人に生きる勇気と自信を与える一説を紹介する。

※本稿は加藤諦三著『愛されなかった時どう生きるか』(PHP文庫)より一部抜粋・編集したものです。

 

愛されなかった時どう生きるか

或る日、ふと「愛されなかった時どう生きるか」という文句が頭に思いうかんだ。

そして、その文句が思いうかんでみると、私は本を書きはじめてから、ずーっとこの問題を考えつづけてきたのだ、ということに気がついた。

私は、本を書きはじめた四分の一世紀まえ、よく自分と他人を比較するな、自分自身の人生を生きよ、というようなことを書いた。

だが、人間は劣等感があるから自分と他人を比較するので、比較するから劣等感がうまれるのではない。そして愛されて育った子は劣等感などもつものではない。

私が本を書きはじめた時のテーマ「劣等感」もやはり「愛されなかった時どう生きるか」ということからでてくる問題であった。

愛されなかった時どう生きるか、ということは愛されないことによって生じた心の不安や葛藤をどう処理するか、ということである。

愛されなかった人は人生を誤まる事が多い。愛されなかった人は防衛的になり心を閉ざしてしまう。幸せを求めながらもなぜか幸せに背を向けてしまうのである。

例えば愛されないで育った人は、失恋すると復讐に生きてしまう傾向がある。そして自分を捨てていった一人の男、或いは一人の女のために一生を棒にふる。

しかし、愛されて成長した人は人生の生き方をあまり間違えない。愛し方が自然であり、生き方が自然である。

愛されなかった人の中には、せっかく生まれてきたのに、屈辱感を味わうだけで一生を終える人も多い。

「愛されない」とは、周囲にとって都合のよい子供である時にのみ「よい子」として受け入れられる、ということである。

一方は幸せな生涯を送り、他方は不幸せな生涯を送る。こんなことが許されていいはずがない。

 

愛されなかった人はズルい人に付け込まれる

幼い日、親から愛されなかった人は孤独である。その孤独の苦しみをやわらげようとして他人の承認や愛を激しく求める。そしてそれを得ようとして真の自分を偽っていく。

しかしこの苦痛をやわらげようとして、他人の承認や愛を求めることは間違っている。

大人になってからの心の苦しみの主要な原因は、本当の自分を忘れてしまったことによる方が大きい。本当の自分を忘れてしまったから苦しいのである。

他人に奉仕しても、他人の否定的な感情のゴミ捨て場になってみても、そんなことで心の苦しみは消えない。

幼い日、あなたの周囲の人はありのままのあなたを大切にしてくれなかった。その結果、自分がどのようにして自分を大切にしてよいか分からなくなってしまったのである。

苦しみから逃れるためには、本当の自分になる以外にはないのである。そのためには、まず今、あなたの周囲にいる人達を喜ばそうとする感情にうちかつことである。

私自身、自分が生き残るために、他人を喜ばせなければならないという感情に苦しめられつづけた。それは私にとって規範であったからなのである。

「他人が自分のことをどう思っているか」

それが自分にとって重要である限り、いつまでたってもずるい人間にもてあそばれるだけである。

幼い日から十分に愛され理解されて育った人にとっては、このことは重要ではない。

従ってずるい人間にもてあそばれることもなければ、自分で自分を傷つけながら生きることもない。

愛されなかった人は、他人に操作され易い。いわゆる「ずるい人」にとって「あつかい易い人間」なのである。

私はあなたに私の人生を操作させない、こうかたく決意することが必要である。私自身あつかい易い人間であったようである。

高校時代に或る人が、あいつはあつかい易い、と言ったと友人からつたえ聞いて立腹したが、今から思えばたしかにあつかい易い人間であったと思う。

そしてそう言った人間は今から思うと本当に狡猾な人間であった。愛されなかった人間はずるい人間に操作され、管理されてしまう。

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