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生き方

橋下徹「定年までつとめあげる時代は終わった」

橋下徹(元大阪府知事/弁護士)

2020年03月18日 公開 2023年07月12日 更新

 

自分の人生をすべて思い通りにコントロールできる人など、まずいない

僕も気がつけば50歳になりました。駆け出しの弁護士として社会人になってから今に至るまで、振り返ればあっという間です。

ありがたいことに色々な経験をさせてもらいました。だからこそわかったことが山ほどあります。若いときには経験がないからそのことがわからない。もし、あのときにわかっていたらもっとうまくできたのではないか。そう思えることも多々あります。

人生は何が起こるかわかりません。自分で自分の人生のすべてをコントロールし、思いどおりの人生を生きられる人なんて、おそらくいないでしょう。

人生とはそういうものだからこそ、完全燃焼が重要。それも日々の燃焼が重要なのです。そのためには日々「行動あるのみ」。チャレンジし続け、そして巡ってきたチャンスをつかみ取っていかなければなりません。

このように「今このとき」を一生懸命に生きる姿勢の積み重ねこそが未来を決していくのです。

運が巡ってくるかは神様ではなく、自分の「生き様」が決めるものです。新しいことにもどんどんチャレンジする人ほど、チャンスに恵まれやすくなる、運が巡ってきやすくなるということです。

少なくとも僕は、そんな姿勢でこれまで生きてきました。

 

タレント活動のはじまりも偶然…大切なのはチャンスをつかみ取る行動力

今までの人生を振り返ってみても、若い頃からの明確かつ具体的な人生計画はなかったなと感じます。

学生時代に弁護士を志すようになり、勉強をがんばって司法試験に合格した。それ以降は、チャンスの赴くままに人生が転がってきたという感じです。

たまたまピンチヒッターとしてラジオ番組に出演したことをきっかけに、タレントになりました。

その後、ありがたくも大阪府知事選への出馬をすすめていただき、ならばがんばろうと選挙戦を戦い抜いて府知事になりました。

府知事になってからは、大阪府政改革に全力を尽くし、今度は府と市が分かれていることによる行政の非効率と無駄を正そうと、府と市を統合する「大阪都構想」を目指します。それを実現するために、大阪維新の会という政党を作り、大阪市長選に出馬して当選しました。

この選挙は本当にきつかった。既存の政党や業界団体などが、一斉に僕を潰しにきましたからね。大阪都構想を実現するためには法律を作る必要もあり、今度は国政政党・日本維新の会を作りました。

反対勢力と激烈な政治闘争を繰り広げながら、2015年5月17日に、何とか大阪都構想の住民投票を実施することができました。選挙のときの街頭演説では大阪中、全国をグルグル回り、住民投票のときの街頭演説も、身体が動かなくなり、言葉も出なくなるまで、自分のエネルギーを最後の最後まで振り絞りました。

そこまでやった上での、住民投票の否決です。もう悔いなどあるわけがありません。結果がどうであれ、完全燃焼です。

その後、市長の任期満了とともに政界から引退し、今は、弁護士、講演会講師、著者として仕事をしています。

こうしてみると、あっという間の 30 年間でした。孫正義さんのような明確な人生設計は立てたわけではないけれど、その時々で常にチャレンジし、全力を尽くし、ひたすら前進してきたという自負はあります。

だからチャンスが向こうからやってきてくれたし、その瞬間にチャンスをつかみ取ることができたと思っています。

僕をここまで運んできたのは、明確かつ具体的な人生設計ではなく、常にチャレンジし、チャンスをつかみ取ってきた行動力だったと思います。

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鮮明に残るのは「全力で行動した時」の記憶だけ

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