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「細かいことに口を出す管理職」がたいがい失敗する理由

2019年08月28日 公開

橋下徹

橋下徹『実行力』

リーダーの仕事とは決断、判断、決定の3つである。――現場の代表がリーダーとなる民間企業とは異なり、役所においてはトップと部下が対立することが珍しくない。

政策を「実行」するためには現場とトップの役割をより一層、明確化しなければならなかったと、橋下徹氏は語る。橋下徹が導き出したマネジメントの要諦とは。

※本稿は橋下徹著『実行力』(PHP新書)より一部抜粋・編集しもたのです。

 

リーダーは、「小さな問題点」には目をつぶれ

最初にリーダーのポストに就いたとき、考えるべきことは、「現場の仕事」と「リーダーの仕事」の仕分けです。僕は、現場に任せてやってもらう仕事の領域と、僕が主導権を持ってやる仕事の領域の仕分けにこだわりました。

リーダーはリーダーがやらなければならないことに専念し、現場ができることは現場にどんどん委ねていくというのが基本原則です。自分にしかできない仕事に集中するために、リーダーはできる限り実務的なことは現場に委ね、決断・判断・決定することに重きを置くべきだということです。

また役所組織は民間企業と異なる特殊事情があります。民間企業の場合にはトップと部下は運命共同体であり、トップは部下を守ることも大きな仕事になります。

しかし、役所組織の場合には、トップはその組織のトップであると同時に、選挙で選ばれた政治家であり住民の代表でもあります。

ですから住民が役所組織に思うところを代弁する必要もあり、時として役所組織とぶつかることも多いのです。さらに、政治家である以上、選挙の洗礼を受けなければなりません。早ければ4年で役所組織を去る存在です。

他方、部下である職員たちは通常約40年間、その組織に籍を置きます。知事・市長は役所組織からするとお客様のような存在なんですね。

このような役所組織の特殊事情を踏まえて、トップと現場の役割をいっそう明確にしなければなりませんでした。

たとえば、民間企業ならトップの言うことを確実にやってくれるかもしれませんが、役所では、トップの考えと組織の構成員である職員の論理が違っていることがしばしばです。

「トップが言うから仕方がない」と考えて現場がやってくれるかというと、そうではありません。できない理由を次々と挙げて抵抗してくることがあります。

僕は、新しい府政、新しい市政の方針を打ち出して号令をかけましたが、現場からは「こういう法律があるのでできません」「こういう国の制度があってできません」「他の諸制度とのバランス上できません」「財源がありません」「住民訴訟のリスクがあります」などと言ってくることがよくありました。

法律や制度の壁があるのに、「何とかしろ!」と怒鳴っても、無理なものは無理なわけです。このような場合に、国と掛け合って法律や制度を変えたり、役所組織内でルールを変えたり財源を用意したりするのは、トップであり政治家でもある知事、市長の仕事です。副知事、副市長以下の職員にはできないことです。

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