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「人前で話すと焦ってしまう人」が恐怖しているものの正体

2020年05月03日 公開

佐藤健陽(佐藤たけはるカウンセリングオフィス代表)

 

人前で「マジック」を披露しただけで極度のあがり症を克服できた

Dさんは50代の男性で、公認会計士をする傍ら、貧しい国でビジネスを起こして自立を図ろうとする住民を支援する団体で会長を務めるなど、精力的に社会貢献に取り組んで活躍しています。

そんなDさんも、出会ったときはあがり症で大変悩んでいました。

私の開催した実践セミナーでは、スピーチをしてもらうと言葉がうまく出ずにあたふたし、「ええと、ええと……」と手を体の前でさかんにヒラヒラと動かすのが印象的でした。その所在なさそうな様子は、そのままDさんの心を表しているかのようだったのです。

ですが、あるときこんなことを話してくれました。

ある3分間スピーチで話のネタに困って手品(マジック)をしたところ、大変受けたそうです。見ている人からは拍手喝采を浴び、皆が笑顔で手品を喜んでくれました。

そのとき、「自分は人を楽しませたい、人に貢献したい」という気持ちを持っていることに気がついたというのです。それはDさんの生きる価値観の発見であり、後に人生の目的にもなりました。

また、Dさんは大変な努力家で、しかもただ闇雲に頑張るのではなく、論理的に努力する人でした。現在の社会貢献的な活動も、そんな努力の賜物です。

そして、Dさんにとって、あがり症はただの苦悩ではなく、夢を実現するために越えるべきハードルの一つとなったのです。

通常、あがり症の人は、人生の中であがらないようにすることやあがるのを避けることが大きなウエイトを占めます。でも、Dさんの場合は、あがり症よりも実現したい目的の方が、大きなウエイトを占めたのです。

Dさんは活動に専念する中で、いつの間にかあがり症であることを忘れていました。Dさんがあがり症を克服できたのは、生きる目的を見つけたからです。

意識があがり症にとらわれることよりも、目的達成に一直線に向かい、あがり症なんてどうでも良くなったのです。

まさにDさんは、前述した「感情の法則」のうち「放っておけば消えていく」を体現している例だと言えますね。

私がよく推奨するのは、「ワクワクすることや心が喜ぶことを見つけること」です。過去に遡って、どんなとき、何をしていたときに一番ワクワクしたかを思い出してみてください。それが、自分の生きる価値観であり、心が喜ぶことです。

自分にとってのやりがいや生きる意味、生きる目的を見つけられた人は、生き方を変えることができます。なぜならば、主体的に生きるようになるからです。

先述した心のベクトルの話にもつながりますが、主体的に生きている人は、心のベクトルが外に向いています。心のベクトルが外に向くような生き方にシフトすれば、あがり症は克服できます。

生きる目的や心が喜ぶことは、生きがいや夢中になって没頭できるものとも言い換えられるでしょう。

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