「来週から全社員原則テレワークになりますが、営業目標は変えません」
「もちろん、人と会うのは極力遠慮して営業してください」
人と会わずに営業する。そんな矛盾を突きつけられ、テレワーク営業に突然放り出された営業マンが、コロナ禍をきっかけに大量発生している。
「コロナが終息すれば元に戻る」、「営業成績を落としても仕方がない」。そういった考え方は、今すぐ改めたほうがいい。そう語るのは、累計17万部を突破した『御社の営業がダメな理由』(新潮新書)をはじめ、多数の著作で知られる株式会社グランド・デザインズ代表取締役の藤本篤志氏。
本稿では、藤本氏の新著『テレワークでも売れる新しい営業様式~直接会わずに成果を出すテクニックとマネジメントとは』より、今後確実に普及していく「新しい営業様式」について解説した一節を紹介する。
※本稿は藤本篤志著『テレワークでも売れる新しい営業様式~対面せずに成果を出すテクニックとマネジメントとは 』(技術評論社)より一部抜粋・編集したものです。
会わなくても顔を見ながら営業できる時代の到来
新型コロナウィルス(COVID-19)災害は、ビジネスの世界をガラリ一変させました。外出自粛によるテレワークを余儀なくさせ、ビジネスのあり方を根底から変えました。特に、人と会うことを中心に活動している営業関係者は、その環境の変化に右往左往し、不安な日々を過ごした人も多いのではないでしょうか。たとえば、ある会社の営業会議を覗いてみましょう……
営業課長「みなさん、来週月曜日から、全社員、原則テレワークになりました。営業のみなさんも、です」
営業担当「出社しなくても営業は継続でしょうか? 目標は下方修正するのでしょうか?」
営業課長「もちろん、目標が変わることはありません。ただし、人と会うのは極力遠慮して営業してください」
営業担当「えっ、人と会わずに営業する? 矛盾していませんか? どうしたらいいんでしょうか?」
営業課長「会社からの指示は以上です。どうしたらいいかを考えるのがみなさんの役目でしょう!」
このように、いままで予行練習もしたことのないテレワーク営業に突然放り出された営業関係者は多いと思います。そして、
「コロナさえ終息すれば元に戻るだろうから、それほど苦労して営業しなくても……」
「いまどこの会社も業績悪化に悩んでいる。営業結果を落としても、そんなに怒られないだろう」
と軽く考えた人も多かったと思います。