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「インフルエンザとコロナは見分けがつかない」 インフル専門家が抱く”秋冬への危機感”

石田直(日本感染症学会インフルエンザ委員会委員長)&吉澤恵理(医療ジャーナリスト)

2020年08月31日 公開 2022年07月05日 更新

withコロナ社会は最低でも来年まで続く可能性

「正直、最低でも来年まで続くと思います。ワクチンが軌道に乗らないと収束するのは難しいでしょう」

加藤厚生労働大臣は、アメリカの製薬大手ファイザーが開発に成功した場合、来年6月末までに6000万人分のワクチンの供給を受けることをファイザー側と基本合意したことを表明している。

さらに8月19日の国会では「積極的なワクチン開発を後押しし、早期の摂取に繋げる」と述べているがワクチンの開発には通常であれば10年前後を要する。

 「来年6月に間に合うのだろうかという疑念は残りますが...ワクチンの開発が収束の鍵となることは確かです」

幸いに第二波では重症例、死亡例が少ない傾向にあり、その理由は治療薬が承認され必要に応じた治療ができていることにあるという。

「デキサメタゾンとアビガンが承認され段階に応じた治療ができています。その点は第一波の時とは大きく違います。不安も当然あると思いますが、感染症学会のホームページでは独自に新型コロナに対する提言を出していますので参考にしていただけましたら」

長期化するwithコロナ社会を我々はどう感染拡大を抑え、日常生活を維持していけばいいのだろう。

「今回のシンポジウムでも各席の間隔を空け、通常ならある懇親会や会食もなし。検温と手指の消毒、マスク着用を遂行することで感染予防を行いました。

日常生活でもそう言った感染予防の徹底をしていれば感染拡大は最小限に抑えることができるでしょう」

各人の小さな行動で感染リスクを一つ一つ避けて行くことが最大の感染予防であり新型コロナウイルスに勝利する方法だと、石田医師の話を通して改めて認識できた。

【吉澤恵理(よしざわ・えり/薬剤師、医療ジャーナリスト】
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業(現、東北医科薬科大学)。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

 

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