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「自前の社員だけの企業」と「外部人材を活用する企業」…リスクが大きいのはどちらか?



2020年09月08日 公開

HRインスティテュート

新型コロナウイルスが世界を⼤きく変え、私たちの⽣活を変え、職場での働き⽅も変えた。

この⼤きな変化は企業における「⼈材マネジメント」のあり⽅に多⼤な影響を及ぼしている。社員やメンバーをどうモチベートし、育成し、企業活動を⼒強く円滑に導くのか…。激変する環境の中で頭を悩ませている⼈は多いだろう。

企業と社員、組織と⼈を取り巻く環境は⼤きな変化の途上にあり、誰にも正解がわかる状況ではない。まさに企業の経営者も⼈事部も、そこで働く社員もみな、⼿探りしながら考えている、という状況だ。

⼈材マネジメントの新しい潮流をふまえて解説した『この1冊ですべてわかる ⼈材マネジメントの基本』より、人材活用方法に起こりつつある変化に触れた⼀節を紹介する。

※本稿は、『この1冊ですべてわかる ⼈材マネジメントの基本』 (⽇本実業出版社刊)の内容を抜粋・編集したものです。

 

VUCA 時代での人材自前主義リスク

現代の社会環境は「VUCA」(ブーカ)と表現されます。これは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字からとった言葉で、あらゆるものを予測することが困難な時代であるという意味です。

ビジネスの世界においても、産業によって程度の差こそあれ、急激な構造変化は、現在進行形で進んでいます。そうした環境下では、企業の経営戦略には柔軟性が求められます。

人材戦略も環境変化が前提となります。経営戦略の実現に必要とされる人材のスキルも、常に変わり続けることを前提とすべきです。

新卒・中途で採用した社員を、自社内で育成して戦力化していくことはもちろん必要です。その一方で、自社内での育成は、現行の社内のロールモデルのような人材を増やす方向性になりやすい、ということを認識しておく必要があります。

自社内のロールモデルが、事業環境の変化を乗り越えて活躍できるとは限りません。人材自前主義にこだわりすぎることは、VUCA時代においては経営リスクを高めることにつながります。

 

「攻め」の外部人材活用が価値を生む

予測することが困難な時代だからこそ、活用したいのが外部人材です。外部人材の活用というと、派遣社員のような「非正規社員」や、業務を切り分けて外部へ委託する「下請け」「外注」といったことが、これまでも行われてきました。このような外部人材の活用は、雇用のバッファー、コスト低減といった、「守り」の手段としてとられることが一般的でした。

しかしVUCA時代に求められているのは、新たな価値を生むための「攻め」の外部人材の活用です。内部人材と有機的につながり、組織内に化学反応を起こすことを目的にした、戦略的観点から企図された外部人材の活用が求められています。

一例として、外部から経営人材を招く「プロ経営者」があります。大胆な社内改革が必要とされる場合など、経営判断を行う人材を外部に求める企業が出てきています。

経営という高度なスキルに限らず、自前主義によるリスクを認識して、企業の戦略実現のために外部人材の活用を柔軟に検討してみるのが良いでしょう。外部人材を調達できる環境も整ってきています。

 

拡大するフリーランス人口

人材派遣企業のランサーズによる「フリーランス実態調査(2019年度版)」によると、 2019年時点での日本のフリーランス人口は、1,087万人とされています。これは2015年と比べて22.6%も増加しています。

その土台として、クラウドやWeb会議といったITツールの進化により遠隔地ワークが簡単になったことや、企業とフリーランスをつなぐプラットフォームの出現および成長により、フリーランスとして働く環境が以前と比べて格段に整備されていることが挙げられます。

スターバックスなどの喫茶店や、WeWorkなどのコワーキングスペースの増加は「ノマドワーカー」を生み出し、今ではフリーランスのワーキングスタイルとして定着しています。「ノマドワーカー」とは英語で“遊牧民” を意味する「ノマド(nomad)」と働く人を意味する「ワーカー(worker)」を組み合わせた言葉です。

これにより、プライベートの事情によりフルタイムで働くことが難しい、定年退職後に自身のビジネススキルを活用する場所が分からない、といったような、これまで働きたくても働けずに埋もれていた人材の労働市場へのアクセスが容易になりました。企業の副業解禁により、自身のスキルを短期的に切り売りしたい人も増えています。

2019年時点では全労働力人口に占めるフリーランス人口の割合は17%ですが、今後も技術の進化や社会通念の変化により、フリーランス人口は拡大するものと思われます。フリーランスという働き方が日本より一般的な米国では、同割合は35%もあります。

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