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社長と出張、ホテルは同室…「退職代行サービス」に頼らざるをえない実態



2020年09月05日 公開

清水隆久、増森俊太郎、吉田名穂子(弁護士法人川越みずほ法律会計)

 

取り返しがつかなくなる前に…

これまでお話ししたのは、どれも比較的ヘビーな事案ばかりでした。これらの事例だけを読むと、「こんなに辛い思いをしている人が退職代行を使うんだ」と感じてしまう方もいらっしゃると思います。

しかし、実際には、「それほど深刻とはいえない状態」で退職代行を依頼される方も相当数いらっしゃいます。例えば下記のような理由です。

「就職して出社したら、きちんと仕事を教えてもらえなかったから」

「OJTがあると聞いていたのに放置された」

「試用期間中に合わないと思ったけど言い出しにくい」

「自分とは社風が合わなかった」

「会社の将来に期待ができない」

「人の紹介で入社したから辞めると言い出しにくい」

「ボーナスをもらったからもう辞めたい」

このように、パワハラや会社側による引き留めがあったというわけではなく、「ただ言い出しにくいから」という理由だけで、退職代行を利用する方も非常に多くなっています。

私たちは、弁護士による退職代行サービスはどんな理由で使っても良いと考えています。退職の際のストレスフルなやりとりを専門家に丸ごと任せられれば、その期間に次の仕事に向けた準備もできますし、疲れた心と体を癒やすこともできます。

人生の時間は限られていますので、嫌だと感じることに時間を割く必要はありません。弁護士による退職代行は決して会社に不利益をもたらすものではなく、あなたの正当な権利を主張するものです。

取り返しがつかない状態になる前の、小さな心の悲鳴に耳を傾けてみてください。私たちは、「どうせ辞めるなら早いほうがいい」と考えています。

心と体がぼろぼろになるまでしがみついて辞めるのと、傷が浅いうちに退職するのはどちらがプラスになるでしょうか。もちろん、「後者」だと思います。

 

退職代行サービスを使うことは「無責任」なのか?

2019年は良くも悪くも退職代行サービスが脚光を浴びた年でした。退職代行サービスが話題になると必ず出てくるのが「退職代行を使うなんて無責任だ」「退職の意思くらい自分で伝えるべき」という意見です。

意外に思われるかもしれませんが、何千人という依頼者さんたちと向き合ってきた私たちは、「退職代行サービスを使う人は逆に責任感にあふれている方だ」と思っています。なぜならば、少なくとも「きちんと辞める意思を会社に伝えよう」と考えているからです。

本当に責任感がない人は、退職代行サービスすら使うことなく、いわゆる「バックれ」などで逃げてしまいます。辞めたいと思ったら、もう次の日から特に連絡もなく出社しないのです。

しかし、退職代行サービスを使う方は、決して安くはないお金を払ってまで退職の意思を会社に伝えたいと考えています。それだけでも、責任感があるといえるはずです。それが、残業代未払いやパワハラなど、会社に対する信頼を持てるはずもない事例ともなれば、尚のことです。

また、私たちに退職代行を依頼する方は、皆さん引き継ぎの書類をきちんと提出しています。退職することは言い出せないけど、「きちんと責任を果たして辞めたい」と考えている方ばかりなのです。

法律の知識も交渉する力もある弁護士や司法書士すらも、退職代行サービスを利用しています。未だに転職することを良しとしない(できない)日本では、退職の意思を告げるだけで非常に大きなストレスを感じてしまうものなのです。

ですから、退職代行サービスを使うのは無責任でも悪いことでもありません。就職の際は就職エージェントにより好条件の就職先を探してもらうように、退職の際は弁護士に交渉を一任すればいい、と考えています。



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