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善意がパワハラに? “ハラスメント地雷”を避けるための「話し方」

2019年06月26日 公開

田中ちひろ(ヒューマンスキルアカデミー代表)、舘野聡子(社労士)

ハラスメント地雷はあちこちに埋まっている

<<もはや現代社会の“標準語”と化した感のある「ハラスメント」。ニュースでも頻繁にパワハラ、セクハラという言葉が飛び交うようになりました。

でも、それらハラスメント問題はもはやニュースで見聞きするだけのものではなくなりつつあります。いつあなたがハラスメントの加害者にも被害者にもなるかわからない時代に突入したのです。>>
 

「なんで? そんなつもりはなかったのに……」

「一言でハラスメントといっても、実は大きく分けて2種類あります。意図的なものとそうでないものです。そしてハラスメントと言われるトラブルは後者、つまり意図的でないものが大半で、訴えられた当人からすれば『なぜこれがパワハラなの?』というケースもかなり多いのです」

と話すのは、ストレスゼロ、カレイドコンパスといった独自の切り口で人材育成メソッドを世界中に提供している田中ちひろさん(ヒューマンスキル・アカデミー代表)と長年ハラスメント対策の現場に携わってきた舘野聡子さん(同、パートナーコンサルタント)。

ともにセミナーや研修に引っ張りだこのハラスメント防止対策のプロフェッショナルです。

意図はないのに、ハラスメントと取られてしまう――つまりそれは、ほとんどのハラスメントがコミュニケーションのズレから起こっているということを意味しています。そしてそのズレを起こすリスクは双方(話す側と聞く側)にあります。

聞く側のリスクは、ハラスメントという言葉が“日常化”したことで、今までなら人間関係の問題としてとらえ解決できたことも「もしかしたらパワハラ?」となりがちなこと。それに加えて周囲からも「それってパワハラなんじゃないの?」と言われることで、被害者感覚に陥りやすいこと。

一方、話す側のリスクは、自分にその気がなくても、受け取る側が“パワハラ”と捉えて訴えれば、これまた簡単にパワハラという“レッテル”が貼られてしまうということ。

なかなか大変な時代になりましたが、そんな悩める時代の“びっくり仰天”の事例をいくつかご紹介します。

※本稿ではパワハラ、セクハラ、ハラスメントを同義の語句として扱っています。

 

期限を守るよう念を押しただけなのに……

ある日、私の元へ泣きそうな顔をして相談に来たAさん(女性)。

「先輩が私にだけきつく当たるんです。近々プレゼンする機会があるんですが、そもそも私のことを信用してなくて、どうせ私はできないだろうと思っている! 期限が近づくにつれ、もう夜も眠れません。これってパワハラじゃないですか?」

とまくし立てます。いったい何があったのかを詳しく聞くと…

「『期限はもうすぐだけど大丈夫か?』と今週になってからもう3回もみんなの前で聞いてきたんです。私がコーヒーを飲んで他の人と話していると、面白くないのか、にこりともしないでこちらを見ているんです。

確かに前に期限が守れなかったことはありましたよ。それをまだ怒っているに違いない! そもそも信用していないなら、私に頼まなければいいのに! これはパワハラだ!!」

泣きながらそう訴えます。最終的には「話を聞いてもらえたので落ちついた」と帰って行かれましたが、どこまで本当に納得してくれたのか、かなりの疑問が残りました。

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