クビ寸前の不人気講師が大逆転 奇跡の“日本一”を実現させた「読書術」
2020年09月26日 公開 2024年12月16日 更新
仕事のために普段読書をしているが、なかなか効果を実感できないビジネスパーソンは多い。しかし一方で東大や医学部に合格した「頭のよい理系」は読書効率を最大化して、効果的に本を読んでいるという。何が異なるのか。
『理系読書』の著者である犬塚壮志氏はそこには3つのフレームワークを意識するだけで超合理化できる「理系脳読書術」があるという。予備校講師として活躍していた犬塚氏自身も、できる「理系の生徒」たちの共通点を見出し、自身の仕事にも生かしたことで状況が一変したという。
本稿では、その読書術が犬塚氏をどう変えたのかについて詳細に聞いた。
その読書、仕事に役立っている?
「あー、面白かった」
「この本、つまらなかったなー」
本を読み終わったとき、こんな感想をもってしまうことはありませんか?もちろん、娯楽として読む小説などはこれでいいと思います。
しかし、実用書や専門書、ビジネス書などを読み終えたときには、こういった感想は一切必要ないと私は考えています。なぜなら、これらの本を読む目的は、「本に書かれた情報を活かすこと」のはずだからです。
「これは、仕事で使えそう!」
「これ、普段の生活に取り入れたい!」
実用書や専門書、ビジネス書などを読み終えたとき最も合理的なアクションは、本の中で有益だと思った情報を自分に取り入れ、それを実際に使ってみることです。
「本を読んで販促企画を立てたら、見込み客を前月の1.5倍獲得できた」
「コーチング本で学んだ『聞くスキル』を実行したら、部下が前向きに意見を言ってくれるようになった」
こういった本の読み方が、実は効率のいい「合理的な読書」と言えるのではないでしょうか。
読書で「クビ寸前」から「日本一」に
そんな私も社会人になりたての頃は、仕事に活かそうと思って読んだ本をいつも「面白かった」「面白くなかった」で考えていました。読書した内容を仕事の現場で活かすことは二の次になっていて、読んだ本の内容を感情的に捉えることに終始していました。
そのため、本を読んでいた割には、仕事の成果がまったく出ず、そんな自分に嫌気がさしていました。入社2年目には会社の同期の中で最下位の売上げで、クビすら覚悟しました。
予備校講師という仕事は基本的には年間契約で、その年の成績が悪ければ次年度の契約更新がなくなったり減給されたりすることも珍しくありません。また、先輩講師から仕事を教えてもらえる環境も当時は整っていなかったため、仕事のことは本から学ぶことが中心でした。
そのため、本を読んで成果を上げることは、当時の私にとって死活問題。本を読んで自分を変えたいと思っていたのに、まったく変えることができない。成果もいっこうに出てこない。そんな状況をいち早く脱出するために、本の読み方を根底から変える必要がありました。
そこで私がしたことは、本を読む前に3つのことをルーティンにするようにしました。
その3つのルーティンにより読書効率が抜群に高まり、そのルーティンを続けた結果、入社6年目に、「授業満足度アンケート(既卒生部門)」にて駿台予備学校の化学科トップに、9年目には季節講習会の化学の受講者数(映像配信は除く)で日本一になることができました。