ナンバー2であることの強み
自然界ではナンバー1でなければ生き残ることができない。
しかし、人間の世界はナンバー2であっても、生き残ることはできる。オリンピックであればナンバー2は銀メダリストとして称えられる。
そのため、人間の世界では「ナンバー2」という存在が価値を持っているのが面白いところだ。
たとえば、カブトムシにやられっぱなしのクワガタムシは、もし同じニッチで戦っていたとすれば、存在することができない。しかし、人間にとってはクワガタムシはカブトムシの永遠のライバルとして人気がある。
世の中には、一番が嫌いな人もいて、巨人という強い球団があると、「アンチ巨人」という集団もできる。
シェアが1位の商品に対しては、シェアが2位の商品も人気を保つのである。
ナンバー3以下の昆虫たちの生き残り戦略から「学べること」
クワガタムシでさえもかなわないとすれば、もっと弱い昆虫たちはどうすれば良いのだろう。
これは、もうまともに戦ってはいけない。ナンバー1とナンバー2がしのぎを削って戦っている土俵から、早く逃れなければならないのだ。
そして、激しい勝負が行われている土俵の外にこそ、勝機があるのだ。
カナブンもまた、カブトムシやクワガタムシと同じように木の樹液に集まる昆虫である。
カナブンはカブトムシにもクワガタムシにもかなわない。そのため、カブトムシやクワガタムシが夕方から朝にかけて活動するのに対して、カナブンは昼間にエサ場に集まる。
もちろん、カブトムシやクワガタムシが夜に活動をするのには理由がある。昼間は天敵の鳥がいるので、鳥のいない夜を選んで活動をしているのである。
カナブンの活動する昼間は、カブトムシはいないが天敵の鳥がいる。そのため、カナブンはキラキラと輝く羽で鳥を惑わし、身を守るように工夫している。
自分のいるポジションによって、取るべき戦略が異なってくるのだ。