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“教え上手な人”が使う「相手の記憶に残る話し方」



2020年11月06日 公開

PHPオンライン衆知

記憶の仕組みとは?

知識は豊富でも、それを誰かに教えるのが上手いとは限らない。部下や後輩に、教科書通りのことをしゃべっただけで「教えたつもり」になっている人も世の中には存在する。それを聞いただけですべて記憶することができる人は多くないだろう。

つまり、相手に教えても覚えてもらえないということは、教える側に問題がある可能性もある。伝えた相手に大事な知識を覚えてもらいたいとき、どのように教えるのが効果的なのか。

教育工学や教育心理学の専門家で多数の著作を発表している早稲田大学人間科学学術院教授の向後千春氏。その新著『世界一わかりやすい 教える技術』より、教える側が知っておくべき人間の記憶のしくみ、「相手の記憶に残る教え方」のポイントについて書かれた一節をご紹介する。

※本稿は向後千春著『世界一わかりやすい 教える技術』(技術評論社刊)より一部抜粋・編集したものです。

 

「効率的に記憶する方法」を教える重要性

「記憶すること」は、学校で最初にトレーニングされることのひとつです。

九九、四字熟語、英単語、歴史上の出来事と年号、化学式など、もうすっかり忘れている人がほとんどだと思いますが、とにかくいろいろなことを記憶してきました。

また、社会に出てからも覚えなければならないことはたくさんあります。同じ職場にいる人の名前やクライアントの名前、扱っている商品の名前と特徴、経費精算書の書き方、パソコンソフトの使い方、資格試験の知識などです。

ですから、覚えなければいけないことを効率的に記憶する方法を教えてあげることは、教える人の大切な仕事です。

では、どのように教えればいいのかというと、まず人間の記憶のしくみを知る必要があります。

 

詰め込み勉強が非効率なワケ

試験の前日に猛烈に勉強した経験は誰でもあるでしょう。いわゆる「一夜漬け」です。一夜漬けのように集中的に勉強することを「集中学習」と呼びます。

この集中学習は、じつはあまり効果的ではないことが、心理学で実証されています。みなさんにも、徹夜覚悟で一夜漬けをして、一生懸命記憶をしたけれども、翌日の試験では覚えていなかった、という経験があるかもしれません。そう、一夜漬けは効率が悪いのですね。

では、どうすれば効率良く勉強できるのでしょうか?

それは、覚えたい事柄を、間隔をあけて繰り返して覚えるのです。英単語を覚えることを例にとると、1回目を覚えた後、何日か後にまた同じ英単語を学習します。さらに、また何日か後に3回目の学習をします。

こうして同じことを何回か繰り返し覚えることで、最後のほうはラクラクと英単語が出てくるようになります。

つまり、すべてを一度で覚えようとしないことです。これを「分散学習」と呼びます。

分散学習は集中学習よりも記憶できる確率が高くはるかに効果的なのですが、この学習法はあまり人気がありません。

それは、2回目以降、学習するときに「あ~、思い出せない」という項目が多少出るからです。この「思い出せない」というのが、ちょっとイヤな感覚なのですね。

しかし、それをクリアさえすれば、次回覚えるときは、前回よりもスムーズに思い出せるようになります。少しの努力で覚えられるようになるので、記憶することが楽しくなるでしょう。

あなたの周りに記憶することが苦手な人がいたら、ぜひ、分散学習がいいことを教えてあげましょう。ちょっとしたコツを教えてあげるだけで、覚えることへの苦手意識がなくなります。

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