急性期から慢性期に移行すると「特徴的な症状」
パニック障害の急性期にはパニック発作がくり返し起こります。この時期は、これまで普通にできていたことが困難になり、仕事などの社会活動が思うにまかせず、あせりやつらさを強く感じます。
私も家族の助けがなければ学校に通えず、「自分はどうしてこんなことになってしまったのか」と、情けなく思っていました。
急性期を過ぎると今度は慢性期がやってきます。予期不安は主に慢性期に見られる症状ですが、そのほかにもいろいろな症状があらわれます。次のような症状が思い当たる場合は、慢性期に移行していると考えられます。
〈精神的な症状〉
□何もないのにあせる
□現実感がなくなる
□胸騒ぎがする
□感情がわかない
□雲の中にいるような感じがする……など
〈身体的な症状〉
□頭がジーンと重い
□頭が後ろに引っ張られている感じがする
□目が乾く
□目の焦点が合わない
□耳鳴りがする
□のどが詰まる感じがする
□脈が飛ぶ
□動悸、息切れが常にある
□胸が苦しい
□手が冷たい
□寒気がする
□全身のしびれ……など
これらの症状はパニック障害でなくても見られるものなので、自律神経失調症など別の病気と診断されることもあり、それで適切な治療がなされず、パニック障害をこじらせてしまう人も少なくありません。
パニック障害の人の苦痛や社会的な障害の度合いは、うつ病よりも高いという調査結果もあります。パニック障害の苦しみから少しでも早く解放されるためには、適切な治療とセルフケアを早めに始めることが非常に大切なのです。