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「普通は」「当たり前だ」と口にしたら思い出してほしい“無意識の偏見”の存在

パク・スックチャ(株式会社アパショナータ代表、コンサルタント)

2021年05月17日 公開 2022年02月01日 更新

「普通は」「当たり前だ」と口にしたら思い出してほしい“無意識の偏見”の存在

誰しも持っている「アンコンシャス・バイアス(=無意識の偏見)」は、個々のキャリアや人生に悪い影響を及ぼすことがある。「若者はITに強い」「大学を中退したからいい仕事には就けない」などの思い込みは、その典型例だ。

アンコンシャス・バイアスについて豊富な知識を持つパク・スックチャ氏は自身の著書で、こういった人間の偏見は避けられないものだが、"無意識"から"意識的"なモノに変えることで影響を最小限に抑えることができると語る。

"意識的な偏見"に変える具体的な方法はどんなものか。詳しく紹介する。

※本稿は、パク・スックチャ著『アンコンシャス・バイアス―無意識の偏見―とは何か』(インプレス社)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「無意識の偏見」を最小限に止めるには

自分のキャリアや人生、組織の価値に望ましくない影響を及ぼす偏見は、なんとかして排除したいものです。

しかし人間である以上、偏見をもつことは避けられません。ですから、偏見があるかないかの問題でなく、「自分は何に対してもっているのか」への意識を高めることが大切です。「無意識」を「意識的に」対応すれば、影響を最小限に抑えることができるのです。

個人が最小限に止める具体的な6つの方法をご紹介します。

 

1.自分が偏見をもっていると認める

まず、自分がバイアスをもっていると認めます。

私たちは、自分は偏見をもっておらず、人を公平に評価して平等に対応している、と思いがちです。しかし、人間である限り、必ず生じてしまうことなのです。

バイアスをもつこと自体は問題ではありません。誤った判断をし、自分や他人に対し、「不当な結果を生むこと」が良くないのです。

どのような状況では偏見に委ねてよく、どのような状況ではきちんと意識的に考えるべきなのかを判断するために、まず自身にも、誰にでも、バイアスがあることを認めましょう。

 

2.「思い込み」を疑う

次に無意識で判断していたことを意識的に考えるようにしましょう。他人を判断するとき、他人や自分に対して何か思うとき、そこにバイアスはないか、思い込みではないのか、自問するようにしてください。

「この人はこういう人だ」「自分には無理だ」などと思うとき、それは特定の属性や特質によって決めつけてはいないか。個人として判断できているか。一度意識して立ち止まり、偏見ではないのか考えてから判断するようにしましょう。

 

3.根拠をもって判断する

どうしてもバイアスをもってしまうときには、直感ではなく、実際にはどうなのか、情報やデータを集め、観察するなどして、事実にもとづいた正しい知識を身につけましょう。

「この人はこうだ」と思ってしまうときは、何をもってそう思うのか。それは属性や特質によるバイアスではないのか。結果を見て、もし特定の属性に優位性があるとしたら、その根拠はなにか。結果が出ていない人には、本当にその能力がないのか。よく考えてください。

表面的なことによる一瞬の判断ではなく、事実を確認した上で、根拠をもって判断するようにしましょう。

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