登録者140万人YouTuber「しらスタ」のおしら氏を泣かせた“中島みゆき”
2021年07月23日 公開 2024年12月16日 更新
コロナ禍によって、昨今はリアル空間で音楽を楽しみづらい状況が続いている。
ボイストレーナーであり、140万人以上のチャンネル登録者数をもつYouTubeチャンネル「しらスタ【歌唱力向上委員会】」を運営する「おしら」さんは、現在の音楽のあり方について決して悲観していない。いまこそ問われる音楽の力とは。(聞き手:Voice編集部 中西史也)
※本稿は『Voice』2021年8⽉号より⼀部抜粋・編集したものです。
新たな音楽の楽しみ方がきっとまた生まれる
――コロナ禍でカラオケに行きづらい状況が続いています。そのなかでも、一般の方が歌うことや音楽そのものを楽しむコツはありますか。
【おしら】音楽を聴くだけなら、これまでと変わりなく楽しめるでしょう。でも声を出すとなると、自宅でも防音の関係で限界があります。周囲の迷惑にならない空間を自分なりに見つけるほかないかもしれませんね。
それでも私は、今後の音楽の在り方については悲観していないんです。これまでも音楽文化は時代とともに進化してきました。
カラオケは1970年代以降の50年で娯楽としての地位を確立したし、1979年にはウォークマンが発売され、その後のMDの流行を経て、いまやスマホのサブスクリプションやYouTubeで楽曲に触れる時代です。そうやってまた新たな音楽の楽しみ方が生まれ、根付いていくと信じています。
どん底時代から立ち直ったきっかけは「中島みゆきさんの曲」
――おしらさんは過去に、アルコール依存症やうつ病に苦しんだ経験があるとうかがいました。いま世の中に漂う閉塞感に苛まれている人にとって、音楽はどういった役割を果たすでしょうか。
【おしら】私がいつも感じているのは、音楽から無理に元気をもらわなくてもいいんじゃないか、ということです。自分の気分が落ちているときは、音楽と一緒に沈んだって構わないでしょう。
たとえば私が人生のどん底にいたときは、中島みゆきさんの曲を聴いて泣くことで満たされて、こうしていまも何とか人生を送っています。そうやって自分に寄り添ってくれる楽曲が、誰でもどこかにあるはずです。
――今後取り組みたい活動について教えていただけますか。
【おしら】オーディション企画に何らかのかたちで関わりたいですね。男性アイドルグループ「JO1」を生んだ公開オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』や、NiziUブームのきっかけになった「Nizi Project」のようなイメージです。
少し前までは一般人だった人がスターになる瞬間ってワクワクするじゃないですか。今日のような取材で「オーディション企画に携わりたい」と発信し続ければ、いずれどこかからオファーがくると信じているので、ここで言わせてもらいました(笑)。
もちろん、YouTubeでは引き続き、動画を配信していきます。それを観た視聴者の皆さんに少しでもハッピーな気持ちになってもらえたら嬉しいですね。