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使ってたら要注意! あなたを一生縛りつづける「ネガティヴな口ぐせ」

吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)

2021年07月26日 公開 2022年07月28日 更新

使ってたら要注意! あなたを一生縛りつづける「ネガティヴな口ぐせ」

いつのまにか心の中でつぶやいている、自分へのダメ出し…忙しい毎日、つい自分に負の言葉がけをしてしまいがちです。そんなときは、ぜひ「チーム自分」として、自分に温かいねぎらいの言葉をかけてあげましょう。臨床心理士・吉田美智子氏が明かす、今のままの自分をもっと好きになれる“口ぐせ”とは――。

※本稿は、「PHPスペシャル2021年8月号」より一部抜粋・編集したものです。

 

自分にダメ出しばかりしていませんか

一人の人間の中には、いろいろな自分がいます。たとえば、「仕事に行かなきゃいけない」と思う自分と「今日は休みたい」と思う自分。「やさしくしよう」と思う自分と「イライラする」自分。何か一つの出来事に対しても、喜怒哀楽に収まらないさまざまな気持ちや感情が湧くものです。

このように、一人の人間の中に、さまざまな気持ちや考えを持つ自分がいることを「チーム自分」と呼んでみたいと思います。

さて、「チーム自分」の運営は、どんなふうにするのがいいでしょうか。子どもの頃を思い出してみてください。みんなの意見に耳を傾けて、困ったときには手を差し伸べ、迷いが生じたときには導いてくれる担任の先生がいるクラスは、明るく活気に満ちていたのではないでしょうか。

反対に、常に完璧を求め、小さなミスも見逃さずに叱責する担任の先生のクラスは、恐怖に支配され、息苦しく、居づらかったのではないかと思います。

「チーム自分」も同じです。困ったときやネガティヴな気持ちになったときにも温かい言葉で応援できるチームと、いつもダメ出しをするチームとでは、日々の満足度だけでなく、パフォーマンスにも大きな差が生じます。

では、いつもダメ出ししてしまう「チーム自分」の言葉には、どんなものがあるのでしょうか。

 

あなたを苦しめる“口ぐせ”

・自分はダメな人間だ【自己否定】
何かうまくいかないことがあったときに、自分を否定するくせはないでしょうか。反省するときには、自分(人)ではなく物事に焦点をあてて考えるようにすると、自己否定せずにすみますよ。

・○○さんはいいなあ【嫉妬】
いつも周りの誰かと自分を比較して、羨んだり落ち込んだりしていませんか。他人のほうが優れている・恵まれていると感じたら、苦しくなるのは自然なこと。そう感じる気持ちは否定しないでください。

・自分のせいだ【罪悪感】
いつも「自分のせい」「自己責任」と思ってしまっていませんか。自分に落ち度がなかったか反省することは必要ですが、やみくもに自分を責めてしまうのはやりすぎです。

・迷惑をかけてはいけない【孤立】
人に迷惑をかけないようにとがんばりすぎると、人とのつながり自体を遮断しかねません。「お互いさま」「ありがとう」と、ペイフォワード(人から受けた親切をほかの人へ返していく)の気持ちでつながれるといいですね。

・また裏切られるのでは【不信感】
信頼していた人から裏切られると「二度と裏切られないように」と警戒して、人を信じられなくなってしまうことがあります。警戒心から適切な人間関係が阻害されてしまうこともあります。

・自分さえ我慢すれば【自己犠牲】
自分の希望を伝えることを「わがまま」だと叱られる経験や、自分が我慢することで周囲がうまくいく体験を重ねると、「自分さえ我慢すれば」と考えてしまいがちになります。

・自分には無理【自己規制】
何か叶えたいことがあるのに、「あなたには無理よ」と言われて自信を失くしたり、自分でも無理だと感じてあきらめたりしていませんか。チャレンジしてみるだけで、自分に自信が持てるようになるかもしれませんよ。

・自分なんていなくてもいい【無価値感】
自分には価値がないと感じて、「死んでしまいたい」「消えてしまいたい」と思いつめてしまうことはありませんか。そう感じさせられてしまう相手がいたら、どうぞ距離をとってください。

・どうせ無駄だ【無気力・無力感】
努力しても認めてもらえなかったり、チャンスが与えられなかったりすると、「やってもどうせ無駄だ」とあきらめぐせがついてしまいますよね。

・完璧じゃないと許せない【完璧主義】
自己採点がとても厳しい人がいます。成長を求める気持ちは悪いことではありませんが、少しのミスも許せず自分を責めてしまう場合は「完璧じゃないと批判される」という恐怖感がベースにあることも。

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自分を縛る言葉はなぜ生じるのか

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