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生き方

使ってたら要注意! あなたを一生縛りつづける「ネガティヴな口ぐせ」

吉田美智子(臨床心理士・公認心理師)

2021年07月26日 公開 2022年07月28日 更新

 

自分を縛る言葉はなぜ生じるのか

自分を縛る言葉は、思い浮かべてはいけないというわけではありません。それが浮かんだときに「チーム自分」として、自分に思いやりを持って肯定できればいいのです。

もし「自分を肯定することなんてできない」と感じるとしたら、子どもの頃や大人になってからの不適切な体験が関係しているかもしれません。人間は、赤ん坊のときに不快な気持ち(お腹が空いた、オムツが濡れた、寂しい、など)を泣くことで周りの大人に伝えます。

泣き声を聞いた大人に、温かく世話をしてもらう体験から、安心感と信頼感を体得するのです。赤ちゃんのときだけではありません。育つ過程で、何か失敗をしても「大丈夫」と温かく受け容れ、励まし、愛してもらうことで、私たちは自己肯定感を獲得していくのです。

けれど、もし親が不仲で喧嘩が絶えなかったり、親の気分で叱られたり、失敗が許されない、一番でなければ評価されないというような子育てがなされたらどうでしょうか。子どもはいつも緊張し、自己防衛しないといけないと感じるでしょう。

「自分を縛る言葉」は、そのような不当な環境で誰にも助けてもらえなかったときに、自分を厳しく律することで自分を守ろうとして生まれてくるのです。家庭で適切な子育てをしてもらえなくても、学校で信頼できる友だちや先生などとの温かい交流を通じて、自分を肯定する感覚を育てることができます。

ただいじめや恐怖で支配する大人に遭ってしまうと、家庭環境にかかわらず「自分を縛る言葉」に傾いてしまいます。大人になってからのハラスメントも同様です。

 

自分を解放するための3つの方法

1.ありのままの自分を認める
自分を縛る言葉は、本来、あなたを苦しめるために生まれたわけではありません。予測のつかない危険から自分を守ろうとしてきただけなのです。ですから、自分を縛る言葉を「ダメだから消そう」としないでください。「そう感じてしまうよね」「苦しいよね」と認めてあげましょう。その上で自分に「お疲れさん!」を言えるようになると、「チーム自分」としてダメ出しする自分とのバランスがとれるようになります。

2.身体をいたわる
自分をねぎらうためにできること。それは、身体をいたわることです。ついつい不摂生をして身体をいじめていませんか。生活リズムを整え、散歩やストレッチなどで心地よく身体を使いましょう。食事はおいしく食べましょう。好きなことに集中する時間、リラックスする時間を持ちましょう。歌を歌ったり、笑ったりすることもおすすめです。デジタルデトックスも心がけて。

3.信頼できる人とつながる
困ったときに話を聴いてくれる人はいますか。あなたのことを責めないで、一緒に悩んでくれる人、信頼できる人とつながることで、自己肯定感を取り戻していくことができます。誰を信用すればよいかわからないときは、臨床心理士などのプロに相談するのも一つの方法です。人が怖いと感じるあいだは、動物とのふれあいや自然とのつながりを通じて自分の感覚を取り戻していくのもよいです。

 

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