栃木県にあるメディカルグリーンは、1985年に薬局からスタートし、36年を迎えた。薬局だけに留まらず、広く福祉事業を運営する。会社設立当初から女性の就業率が高く、『女性が活躍できる会社』を目指した運営に試行錯誤してきた。
その結果、現在では、結婚、出産を経て、子育てをしながら多くの女性が活躍している。メディカルグリーンのこれまでの取り組みを聞いた。
利益よりも地域のために開設した調剤薬局
「メディカルグリーンという社名の由来は、Goodservice(最高のサービス)、Renewel(より良い方向に見直す)、Endless(永遠に)という3つの言葉から作った造語です。医療、介護、福祉を中心とした事業で地域を明るし、そのために働く社員も幸せになることを目指し社名を決定しました」
――メディカルグリーンが誕生した36年前、多くの医療機関が院内に薬局を持ち、患者は診察から薬を受け取るまで一つの病院の中で完結し、外に出ることはなかった。メディカルグリーンは、そんな時代に医薬分業にいち早く挑戦した。
「36年前、後に処方元の一つとなる病院の院長から『今後は、薬剤師が担う役割が大きくなるので医薬分業をすべきだ』と言われたことをきっかけに薬局を開設しました。当初は、調剤薬局は珍しいものでした。利益よりも地域のためにという気持ちが強く、薬局で無菌調剤室を造ったのも我が社が栃木県内で2番目でした」
――手探りで始めた調剤薬局だったが、速い段階で軌道に乗り、現在は栃木県内に大沢調剤薬局を筆頭に15店舗の薬局を運営し、地域医療に貢献している。
「多くの患者さんが、薬剤師に気軽に相談できることを喜んでくださり、店舗を増やしていくことができました。そして、勤務する薬剤師の人数も増えていく中で女性薬剤師も多く、女性が働きやすい環境を作ることの重要性を感じるようになりました」
“女性が輝く”ための子育て支援
――一般に多くの女性が「結婚、出産、子育てとキャリア」の両立に悩むように、女性薬剤師も同様であった。
「結婚や出産で退職する何人かの女性薬剤師たちがいましたが、『そういうものなんだ』と思い見送っていました。しかし、ある時、そういった女性薬剤師の中には、『仕事も続けたかったけど出産や子育てとの両立は難しい』と仕方なく仕事を離れた人もいると知りました。それなら、女性が結婚後も仕事を続けられるにはどうしたら良いか考えなければと思いました」
――ちょうどその頃、保育園の開設・運営を相談され、働く女性の支援になればとの思いもあり保育園を開設した。
「考えていた以上に地域の方々の入園希望があり、女性が働くためには子育て支援が、いかに重要か実感し、ちびっこランドなど3つの保育園を運営するようになりました」
――薬局が運営する保育園ということで、保育士や保護者からの健康相談なども寄せられるようになり、地域に貢献する存在となった。