流れ星に願いごとができる?「夢を実現する人」のたった一つの習慣
2021年11月30日 公開 2023年10月13日 更新
東京大学を卒業後、同大学大学院の博士課程で脳神経医学を専攻して博士号を取得した中野信子氏。フランス国立研究所にポスドク(博士課程修了の研究者)として勤務したり、世界の全人口で上位2%の知能指数に入る人のみが入会を許される団体・MENSAの会員になったりした経験も持つ。その中で見てきた「世界の頭のいい人たち」に共通することとは?
※本稿は、中野信子著『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)の一部を再編集したものです。
願いごとを叶えてくれたのは流れ星ではなく自分
流れ星に願いごとをすると、その願いが叶うのはどうしてか、知っていますか?
もちろん、流れ星が願いを叶えてくれるのではありません。自分がいつもそのことを思い続けているから、願いは叶うのです。
流れ星は、一瞬で流れて消えてしまいますよね。光っている時間は、0.5秒くらいだそうです。何か願いごとを言おうとして、すぐに思いつかずに「えっと…」と考え込んでいたら、あっという間に流れ星は消えてしまいます。
でも、そこでもし、願いごとを言うことができているとしたら、それはいつも自分が「そうなったらいいなあ」と願うことができている証拠。自然と自分がそういう方向に向かっているのです。だから、流れ星に願いごとが言えた時点で気持ちは本気。夢の実現に、確実に近づいているわけです。
もう一つ、実感としてわかりやすい例え話をしましょう。砂漠にたった一本立っている看板に、なぜか頻繁に衝突事故が起こることがあるといいます。他には何もない砂漠なのだから、避けて走ることなんて簡単にできそうですよね。それでも、何台も衝突してしまうのだそうです。なぜだと思いますか?
それは、運転手がその看板を見つめ続けてしまうからなのだといいます。車を運転する人はわかると思いますが、車というのは運転手の視線が向いている方向に進んでしまう性質があります。そのために、何もない砂漠で看板に激突してしまうということが起こってしまいます。
看板に激突というのはいい例ではなかったかもしれませんが……、これは、車の運転に限ったことではないのです。私たちの人生も同じことで、人間は自分の見ている方向にしか進んでいかないのです。
もちろん、その間には走りにくい道もあれば、障害物もあり、さらには道の途切れているところなんかもあると思います。でも、それでもやっぱり、「その方向に行きたい!」と思っている方向に、何とかして進んでいってしまうのが人間の性質なのです。
目標達成をずっと考えていると「知恵」も湧いてくる
私が受験生だった頃の話をしましょう。東京大学の二次試験では、二日目の午後に理科の試験があります。午後ということはつまり、お昼休みにちょっとだけ最後の勉強をする時間があるのです。ここで私は、ある予備校が全国的に実施していた模擬試験の物理の問題を眺めていました。
そして、試験開始になりました。私は問題用紙をめくり、その瞬間、「え!?」と思いました。さっき見た問題とほとんど同じ問題が出題されていたのです。1点、また1分1秒が合否を左右する難関大学の入試で、これは私が合格するにあたって非常に有利に働いたと思います。
このことを、単純に「中野さんは運がいいんですね」と片付けてしまう人もいるでしょう。でも、そのような捉え方をする人は、いつまで経っても目標にたどりつくことができない人なのではないでしょうか。それどころか、誰かが出す良い結果だけにいつも目が行って、人をうらやむだけの面白くない人生を送ってしまうかもしれません。
ちょっと言いすぎかもしれませんが、この出来事を自分で振り返ると、「運が良かった」というよりも、「目標を定め、そのことをずっと考えている中で、そのためにどうすればよいかという知恵が生まれた。その結果、合格できた」と思うのです。
知恵というのは、例えばこの場合なら模擬試験を受けて情報を収集すること、頻出しそうな問題を選択して試験当日に持っていくこと、試験直前にそれを見返す時間を確保することです。
よく考えてみてください。これらは、私でなくとも誰にでもできることです。また、運の良し悪しも関係ありません。
でも、別のことに誘惑されて本来の目標を忘れてしまったり、自分はどうせ合格できないからいいや…という気持ちになってしまったりして、この条件が一つでも欠けてしまったとしたら、どうでしょうか。そうしたら、いくら模擬試験で似た問題が出題されたとしても、それは本番の試験で良い点数を取ることには結びつきません。
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「正直な気持ち」で望むことでないと夢は実現しない