「国民皆保険の日本」が起こした医療崩壊...コロナ禍の失敗を繰り返さないための提言
2021年12月01日 公開 2022年07月05日 更新
各分野の垣根を超えた協力で「国難」に備える
「ニューレジリエンスフォーラム」の設立は、日本医師会名誉会長の横倉義武医師の呼びかけによって実現したという。
「感染症と自然災害に強い社会をつくるためには、医療界、経済界、防災関係、自治体が協力、連携することが不可欠であると考えた横倉医師が各分野の代表者に直接、フォーラムへの協力を打診し設立されました」
様々な分野の代表者が集まるフォーラムだからこそ、広く様々な問題に取り組むことができる。第1次提言に続き、今後も様々なテーマで提言していくための準備を進めている。
「コロナ禍では経済の逼迫もありましたので第2提言は『経済対策』、第3提言では『自治体と防災対策』について行っていきます。国民の声を聞き、提言に反映するよう全国各地でのシンポジウムなども予定しています。企業、団体から個人の方まで賛同いただける方はフォーラムのホームページ(https://nr-f.jp/)からご参加いただけると幸いです」
今後30年以内に「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」に起きる確率は70%と想定され、これまで経験したことのない「国難」レベルの災害に直面する可能性は高く、平時からの防災対策が重要となる。我々もフォーラムの提言に注目し、その方策を実施していくことが、自分や大切な人の命を守ることに繋がるだろう。
【吉澤恵理(よしざわ・えり/薬剤師、医療ジャーナリスト】
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業(現、東北医科薬科大学)。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。