「他人を傷つける人がたくさんいる世の中」で生きるために大切なこと
2022年02月25日 公開 2022年08月15日 更新
自問自答を繰り返して、埋もれていた「本心」を見つけ出せば人生が変わる
――これまでいろいろな苦悩を乗り越えてきたなかで、沈んだ心を立て直す方法があれば教えてください。
【ryuchell】年下から年配の先輩までいろいろな人に話をして、意見をもらいますね。明確な答えをもらえなくても、話すうちに感情の整理ができてくる。つまり誰に相談したとしても、最後に答えを見つけるのは結局、自分自身なんです。
たとえば「友達がつらいとき、私は一生懸命話を聞いてあげたのに、相手は私がつらいときに助けてくれなかった」という話を聞くことがあります。
ここで僕はすごく思うんですけど、「助けたのに、助けてくれなかった」という感情が芽生えるのは、最初から自分本位の気持ちが根底にあるんです。「あのとき手を差し伸べた」という貸しをつくるため、人を助けようとする。それがバレるんですよね、相手にも。
この人は「本当の愛」で自分を助けているのではない、と相手にも伝わるんです。本当の愛とは「与えるもの」。決して見返りを求めるものではありませんから。
――「誰かに助けてもらいたい」と思わずに、寂しさは自分で埋めていけるものなのでしょうか。
【ryuchell】もちろん「一人では無理」と思って誰かにすがるのは、多くの人が経験したことがあるでしょう。僕も同じで、気持ちは痛いほどわかります。でも友達とはいえ、それぞれの人生を歩んでいる人間同士、お互いの歯車が違うのは当然です。
半年前、相手がつらいときに自分は助けることができたけど、今度は自分がつらくなったとき、相手はたまたま仕事が忙しくなってタイミングが合わない、なんてこともある。そのときに相手を恨み、落ち込むのではなく、「自分で乗り越える試練」と考えてほしいんです。
一度、壁を乗り越えた経験をすると、次は一人で越えられるような壁しかやってこない。人生で二度、まったく同じ壁に出合うことはありません。一つの壁を越えたら、もっと高くて分厚い壁が現れる。だからこそ、強くなるしかないんです。
そのためには自分が抱く感情に対して自問自答を繰り返し、埋もれていた「本心」を見つけ出す必要があります。見えなくなっていた自分の本当の願い、望みを求め、あなたらしく生きる方法を発見する。他人を傷つける人がたくさんいる世の中で生きていくために、何よりも大切な作業だと思いますね。