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億万長者は「善意だが間違ったアドバイスをする人」とどうつきあうか?

ディーン・グラジオーシ(著),弓場隆(訳)

2022年04月08日 公開 2022年08月16日 更新

 

間違ったアドバイスから自分を守る

もうひとつ、成功を妨げている外部要因を挙げるとするならば、それは"間違ったアドバイス"だ。

儲かりそうな発明やアイデアを思いついて、家族や友人、恋人にその話をしたときに、それがうまくいかない理由をうんざりするほど聞かされた経験はないだろうか?

おそらく彼らはこんなふうに言ったはずだ。

「発明にはお金がかかるが、あなたには十分なお金がない」「きっとそれはもう誰かが考えている」「特許を申請しなければならないが、そんな時間はないだろう」「テレビで宣伝しようとしても、費用がかかりすぎるから無理に決まっている」

その結果、あなたは彼らのアドバイスに従い、自分のアイデアを無視するようになった。

ところが数年後、まさにそのアイデアが世界を変えて、見ず知らずの誰かが億万長者になるのを目の当たりにした。

うまくいっていない人から学んでも得られるものは何もない。間違った人から学んだとしてもなんの役にも立たない。

具体例を紹介しよう。あなたが失敗するのを心配している親。あなたが変化を起こすと夫婦生活に支障をきたすことを不安に感じている配偶者。自分が人間関係で痛い目にったので、あなたが同じ目にあわないように守ってあげたいと思っている友人。自分が事業で破産の憂き目にあったので、あなたが同じ経験をしないことを願っている親戚。

あなたの足を引っ張ろうとしている人もなかにはいるかもしれないが、ほとんどの人は善意でアドバイスしている。いずれにせよ、周囲の人の間違ったアドバイスは、あなたの心のなかに住み着いている内なる悪魔にエサを与えてしまう。そのせいで疑念が生じ、自信が損なわれ、それが後悔に満ちた人生の原因になっている。

だから私たちは間違ったアドバイスには常に用心し、それを聞き入れない習慣を身につけなければならない。もし誰かに間違ったアドバイスをされたら、笑みを浮かべてすぐにそれを心のなかのゴミ箱に捨てよう。

私は自分の経験から、周囲の人の間違ったアドバイスがあなたの人生に大きな害をおよぼしてきたと断言できる。だから今後は間違ったアドバイスから自分を守る術を身につけなければならない。

 

ネガティブな人を遠ざける

私たちは身近な人たちが自分に対して大きな影響力を持っていることを知っている。一緒にいるとエネルギーを奪う人もいれば、エネルギーを与えてくれる人もいる。周囲を見渡せば、これが真実であることがすぐにわかるはずだ。

私がこれまで出会った成功者は全員、まったく同じことを言う。すなわち、「私たちはふだん一緒に過ごしている人たちのようになる」と主張するのだ。

もしネガティブな友人が3人いて、ポジティブな友人が3人いるなら、あなたの人生観はその中間あたりになる。もしすべての友人が経済的に苦労しているなら、あなたが貧困から抜け出すのは難しいだろう。

たとえあなたがポジティブになろうとしても、配偶者がいつもネガティブなら、夫婦はその中間あたりになる。

これからこの状況に対処する方法を紹介しよう。

世の中には2種類の人がいる。「バッテリーを充電してくれる人」と「バッテリーを消耗させる人」だ。

見知らぬ人と出会ったとき、その人が「バッテリーを充電してくれる人」と「バッテリーを消耗させる人」のどちらに該当するかを、即座に見きわめる習慣を身につけよう。

たとえば「調子はどう?」と尋ねたとき、相手の返事から多くのことがわかる。もし相手が「とても調子がいい」とか「絶好調」と答えたら「バッテリーを充電してくれる人」の証しだから、親しく接するといい。その際、相手の行動パターンや習慣、仕事に対する姿勢に注目しよう。

一方で、もし相手が「いつもどおりのひどい1日だ。週末が待ち遠しいよ」と答えたら「バッテリーを消耗させる人」の証しだから、会釈してすぐにその場を立ち去るべきだ。エネルギーは貴重だから、人に吸い取られないように気をつける必要がある。

これは覚えておこう。誰かから「今日の気分は?」と聞かれたら、「とてもいい」とか「最高だ」と答えるといい。これは単純だが強力な成功習慣である。

人間の本性に関するこの法則はいたってシンプルだ。

経済的成功を収めたいなら、経済的成功を収めている人たちと付き合わなければならない。起業家になって会社を立ち上げたいなら、成功している起業家と付き合わなければならない。同様に、スリムな体型になりたいなら、どうすればいいかはもう明らかだろう。

交際範囲を決めるにはどうすればいいだろうか?

成功している人たちを意識的に含めればいいのだ。「友人のなかに成功している人はいない」と言うのなら、成功している人が集まる場所に行き、そこにいる人たちと接点を持つようにすればいい。

ネガティブな人が身近にいるなら、その人を遠ざけることに抵抗を感じる場合もあるだろう。残念ながら、そういう人にネガティブな姿勢を指摘して「もっとポジティブになるべきだ」と諭しても効果はない。

だが、その人に「こんなふうになってほしい」という願いを込めてお手本を示すことはできる。あなたがポジティブになって相手の人生に好ましい影響を与えれば、相手はより前向きに生きていこうと意欲を燃やす。相手の人生を明るく照らせば、どんなにネガティブな人でもよりよい人物になろうと努力するものだ。

この成功習慣は単純すぎるように見えるかもしれないが、そのインパクトは計り知れないくらい大きい。成功は運や魔法によるものではなく、日々の習慣によるものなのだ。

【ディーン・グラジオーシ】
アメリカの実業家、セミナー講師、テレビタレント。不動産業界で頭角を現し、自己啓発の分野でも活躍している。「伝説のサクセスコーチ」として知られ、約15年にわたってテレビのトーク番組に出演するだけでなく、世界中でセミナーを開催し、オンラインサロンも好評を博す。6冊の著書のうち2冊がニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーとなり、全著作の累計発行部数は100万部を超える。現在、妻と2人の子供と一緒にアリゾナ州フェニックスで暮らす。

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