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生き方

億万長者は「善意だが間違ったアドバイスをする人」とどうつきあうか?

ディーン・グラジオーシ(著),弓場隆(訳)

2022年04月08日 公開 2022年08月16日 更新

億万長者は「善意だが間違ったアドバイスをする人」とどうつきあうか?

誰もが成功を夢見ている。けれど、成功者になれるのはひと握りの人間だけだ。

アメリカで「伝説のサクセスコーチ」としても知られる実業家のディーン・グラジオーシ氏は、「成功するためには、意識してネガティブな外部要因を排除する必要がある」と言う。

ネガティブな情報をシャットアウトし、ネガティブな人を寄せ付けないための方法を解説する。

※本稿は『億万長者に学ぶ 自分の磨き方』(かんき出版)より一部を抜粋・編集してお届けします。

 

ネガティブなニュースは心に悪影響をおよぼす

成功を妨げている外部要因を1つ説明しよう。それは、ネガティブなニュースに接することだ。

考えてみよう。私たちは子供のころからネガティブなニュースの影響を強く受けて育ってきた。実際、私たちの脳は、戦争や災害、テロ、殺人、病気、飢餓、経済危機に関するニュースにたえずさらされている。

1950年代、「タイム」誌の特集記事の9割はポジティブな内容だった。だが、やがて編集部は、記事の内容がネガティブであればあるほど販売部数が伸びることに気づいた。

ネガティブな記事はポジティブな記事よりも読者の注目度が3割も高いのだ。それだけでなく、ネガティブな見出しはポジティブな見出しより平均63%も注目されやすい。

しかし、これは単なる編集の問題ではない。テロや災害などの危機的な事態が現実に世界中で激増しているのだ。これらのことが積み重なって、私たちは「世相がますます悪くなっている」と感じるようになった。

ネガティブなニュースを配信するように方針転換をしたのは「タイム」誌だけではない。

世界中のすべての報道機関が売上を伸ばす必要に迫られているので、メディアはこぞってネガティブなニュースを追い求めるようになった。

その結果、私たちがふだん得ている情報の大半はネガティブなものになる。世の中がおかしくなっているように錯覚させる不吉なニュースにたえず接していると、ポジティブに考えて成功をめざすことは至難の業だ。

ネガティブなニュースは心に悪影響をおよぼすおそれがあるから、どんなにポジティブな人でもネガティブな心理状態に陥りやすい。

UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究によると、人間は1日に平均約7万の思考を抱くが、その8割がネガティブで、大半を翌日に持ち越してしまうという。私の経験と観察に照らし合わせると、この忌まわしい現象の最大の要因は、たえずネガティブなニュースに接していることだ。

歴史を通じて戦争や経済危機、自然災害が常に発生していたことは、誰もが知っているとおりだ。だが、ネガティブな情報がこれほど簡単に入手できる時代はいまだかつてなかった。現代人はそれをテレビやスマホ、SNSで瞬時に得ている。そして、好むと好まざるとにかかわらず、それは心に悪影響をおよぼす。

 

「30日間のニュース断食」を実行する

たえずネガティブなニュースにさらされると、意識的であれ無意識的であれ、徐々に自信がなくなり、目標を達成しようというモチベーションを失って不本意な人生に甘んじるようになる。

「こんなに景気が悪いのに、成果が上がるはずがない」「有名人でも次々と離婚しているのに、自分の結婚生活がうまくいくわけがない」「肥満がこんなに蔓延しているのに、自分が痩せられるわけがない」といった思いが強くなるのだ。

こうした弊害を打破するには、「30日間のニュース断食」をするといい。
つまり30日間、ニュースを見ることも聞くことも読むこともせず、さらに友人たちに質問しないようにして、ネガティブなニュースを完全に遮断するのだ。

そして、その時間と労力を、自分の内面を見つめ、愛する人たちとのきずなを深め、人生の目標を達成するために費やそう。このニュース断食でどれだけの時間を確保できるかは人によって異なるが、ニュースに費やしている時間を自分磨きに充てると効果的だ。

今すぐ、「30日間のニュース断食を実行する」と自分に誓い、その時間にできることを列挙しよう。

たとえば、瞑想する、健康的な食生活を実践する、ジムに行く、新しいビジネスのアイデアを実行する計画を立てる、既存のアイデアを改良する、子供や配偶者、親と一緒に過ごす、などなど。

それが何であれ、ニュースを遮断して建設的な活動に取り組むことによって脳を浄化し、ネガティブな情報から逃れてポジティブな方向に前進することができる。

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