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生き方

「無駄遣いしない」と唱える人ほど、“貧乏の道”へ進むという矛盾

大嶋信頼(心理カウンセラー、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役)

2020年12月03日 公開 2024年12月16日 更新

大嶋信頼氏

人気カウンセラーである大嶋信頼氏は、カウンセリングの場で、“お金の問題”について気づかされることがあったといいます。それは、普段、私たちが気にも留めないような出来事が「呪いの暗示」となり、お金に困る状況を生み出しているということ。

呪いの暗示の正体とは何か、どのようにすれば“お金持ち”へと変われるのか、詳しく解説します。

※本稿は、大嶋信頼(著)『お金持ちになる人の心理学』(PHP研究所)から、内容を一部抜粋・編集してお届けします。

 

「呪いの暗示」があなたの能力を封印する

自己鍛錬ということと関係しますが、みなさんが「暗示にかけられている場合がある」のです(「呪いの暗示」と私は呼んでいますが)。

たとえば、誰かから、次のようなことを言われたことはありませんか?

すぐ無駄遣いをする!
計画的にお金を貯められない!
将来、あなたはお金で苦労する!
怒りで人生を破壊しちゃうかも?
肝心なときにあなたはチャンスを逃す!
あなたは一番にはなれない
すぐに人にだまされる!
人からいいように利用される!

私は、母親からよく、このように言われてきました。

「アンタはすぐ無駄遣いをする!」
「計画的じゃない!」
「アンタは将来お金で苦労するわよ」

すごい暗示でしょう?

こうした母親の一連の言葉は、私によかれと思って忠告しているわけです。その点はまちがいありません。母親は、息子が「そうならないように」と思って話しているわけですね。

ところが、それが「暗示」として私の頭の中に入っているために、「お金が貯められない」あるいは「無駄遣いをしちゃう」ということから抜け出せなくなるのです。

呪いの暗示は、「相手のためによかれと思って言っている」という言葉に、必ずといっていいほど含まれています。

たとえば、私が新しいかばんを買ったとき、それを見た母親から「いいかばんね。いくらしたの?」と聞かれ、「セールで1万4000円だった」と答えます。

そこで母親に「そんなに高いものだったら、大切に使わなきゃね」と言われて、ちょっと嫌な気持ちになります。

 

母親の心配が呪いとなってしまうわけ

ここに含まれている呪いの暗示は二つあります。

一つは、「高いものを買って無駄遣いをしてお金が貯まらない」というもの。そして、もう一つが、「物を粗末にして罰当たりで貧乏になる」という暗示です。

もちろん、暗示をかけている本人には、「貧乏になる暗示をかけている」という自覚はありません。「この子が散財してホームレスにならないように助けてあげなきゃ」という老婆心から言っているのです。

でも、「この子が大変な目にあわないように」という心配の先には、「散財して貧乏になる」と「ものを粗末にしてバチが当たる」という未来が、母親にはクリアーに見えているわけです。

「貧乏な未来にならないように」という親切心からかけた言葉が「呪いの暗示」となって私に伝わり、「また無駄遣いをしてしまった」「ものを大切にできない罰当たり」ということで、「どんどん貧乏になってお金が貯まらない」意識で苦しめられるわけです。

母親からしたら、「そうならないように」と思って言ったことが呪いの暗示となり、私は経済的に困窮して、母親が「ほら、私が思ったとおりになった」というような結果になっていたのです。

世の中的に言うと、「親が、わが子に呪いの暗示をかけるなんてありえない」と信じてもらえないことが多いのです。でも実際に、母親の言ったとおりに呪いの暗示の方向に進み、「お金が貯まらない」とか「ものを粗末にするから金運に見放された」ということが起こります。

「うまくいかないことを、母親のせいにしているだけなんじゃないの?」と思われるかもしれません。

でも、母親とコミュニケーションをとらずに調子がいいときに、つい「母親がかわいそう」と思って近づくと、また嫌なことを言われて呪いの暗示をかけられ、結局、「あーあ、また大損をしてしまった」となったりします。

これは、私のところにカウンセリングにくる方も同じで、「母親から呪いの暗示をかけられて、見事にそのとおりになっている!」と、暗示の恐ろしさを目撃することがあります。

過去にかけられた呪いの暗示がいつまでも効果を発揮しつづけることもあるのですが、その呪いの暗示から解放されると、“どんどんお金持ちになっていく”ということがあるので、呪いの暗示はほんとうに怖いと思います。

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