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まずは手軽なネットの情報から...「初めての不動産投資」でカモにされない方法

荒木陽介(サラリーマン投資家)

2022年06月12日 公開

 

優良な物件に出会う方法

私が初めて買った物件は、三重県四日市の一棟マンションでした。もちろん、業者と一緒に現地を歩いていろいろ見て決めたわけです。その際、最も大事なチェックポイントのひとつは賃貸需要の査定ですが、物件資料を取り寄せる段階で担保価値はわかっていました。

不動産投資では物件の担保価値が重要です。担保価値はほとんどの物件資料に載っていますが、土地だけなら「相続税路線価」×「土地の面積」という簡単な計算で自分でも割り出すことができます。

路線価は「全国地価マップ」など誰でもアクセスできるウェブサイトで公開されていて、住所を入れるだけで1平方メートル当たりの土地の価格が出てきます。

それに耐用年数などに基づく「建物評価額」を加えた価格が物件全体の担保価値になります。

ただ不動産には、担保価値とは別に「実勢価格」というものがあります。実際に売買したときにいくらになるかというのは、そのときの市場の状況によって変わるわけです。当たり前ですが、安く買った物件が高く売れるという保証はありません。

私が担保価値に注目するのは、そうした売買の損得とはあまり関係なく、銀行が融資をするときに重要視するファクターだからです。つまり、担保価値が高ければ、それだけローンを組みやすくなるからなのです。

だから私は、物件資料を請求する前に自分で計算して、担保価値の高い物件だけ詳しい資料を取り寄せるようにしています。

 

気になる物件が6件に1件は見つかる理由

また、築古戸建て物件の場合には、建物をつぶして更地で売ることも考えます。担保価値に加えて、いま更地にしたときの実勢価格も調べるわけです。銀行は担保価値だけでなく、実勢価格も考慮するからです。

実際の売り値よりも担保価値のほうが高い物件はあまりありません。近いだけでも貴重な物件なのですが、田舎町の築古戸建てだと、売り値500万円で担保価値900万円というようなお化け物件もたまにあるものです。ちなみに、私は地方の物件の場合、地元の銀行が融資に対して積極的かどうかを地元の業者に確認するといったこともしています。

物件選びの基準は投資家によってさまざまです。中には相当高いハードルを設定していて、「優良物件は千三つしかない」と言う人もいます。

私の場合、端的に言うと「とにかく買って資産規模を増やそう」というのが基本方針なので、気になる物件が6件に1件は出てきます。

顔もスタイルも性格もいい人間というのがそういないように、不動産もすべての要素が優良というのは、それこそ千三つより少ないかもしれません。

ただ、土地の担保価値や売り値が高いというのは、私にとって非常にポイントが高いわけです。特に築古戸建ての場合、そのほかの要素はそれほど気にならないのです。

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