「努力しているのに稼げない」そんな人はもしかしたら「お金への錯覚」に陥っているのかもしれません。山根洋士さんによれば、自分が本当に欲しいものは何か、よく考えることが重要だそう。お金への錯覚を解いて、稼げるようになる方法をご紹介します。
※本稿は、山根洋士著『「自己肯定感低めの人」が、一生お金に困らない方法』(PHP研究所)より内容を一部抜粋・編集したものです。
お金を手にするための行動が起こせない原因
お金にはさまざまな感情が乗りやすいだけでなく、お金はさまざまな価値観や願望の象徴にもなります。「お金があれば何不自由なく豊かに暮らせる」というのは、お金が幸せの象徴になってしまっています。
「お金があれば人が集まってきて、偉い人のように見られる」というのは、権威の象徴です。「お金があれば、したいことがなんでもできる」というのは、自由の象徴と言えるでしょう。
その象徴になっているものこそ、あなたが本当に求めるものです。つまり、幸せや権威、自由が本当に求めているものになります。それらを得るためにお金が必要なのに、脳が錯覚して、お金そのものを求めているように思ってしまいます。
しかし、本当に求めるものはお金ではないから、お金を手にするための行動は起こせません。その結果、稼ぎたいのに稼げない、という現象が起きるのです。
あなたが本当に求めるものは?
自分が本当に求めるもの、すなわちお金を何の象徴として見ているか、ということを知るのが大切です。ただ、本当に求めていることほど、気づきにくいものです。
なぜかというと、本当に求めているものは、それがないと生活に支障が出るくらい困るため、すでに手に入れている可能性が高いからです。
私の場合は、40歳ごろまでタワーマンションの高層階に住みたいと思っていました。お金を成功の象徴として見ていて、高層階に住むのは成功の証=ステータスが高い印のように捉えていたのです。
いわば高学歴や高級車に憧れるのと同じで、目標にすべきもの、という思い込みができていたわけです。
しかし、ずっと叶いませんでした。4階以上に住んだことがなく、高層階に住むお金を手に入れても、引っ越そうとはしませんでした。それどころか、さらに低い2階に引っ越して...。
自分でも、なんでこうなるんだろう、と不思議でなりませんでしたが、あるときふと気づいたのです。私が本当に求めているものは高さではなく、日当たりだ! と。
笑い話のような話ですが、これに気づいたときは目からウロコがボロッとはがれ落ちました。なぜ気づいたのかというと、それまで住んできた物件を思い返して、絶対に外せない条件からたどり着きました。日当たりがいい物件は、高層階に限らずたくさんあります。
現に、日当たりだけはいいところに住み続けてきました。当たり前のものとして、すでに手に入れていたから、なかなか気づけなかったわけです。