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1日2分股関節を動かせば充分な理由

菅原洋平(作業療法士/ユークロニア㈱代表取締役社長)

2022年07月31日 公開

 

体を動かすことが「めんどくさい」と感じる理由

めんどくさいと感じるのは、「体を動かす」というイメージのレベルが高すぎて、実行するまでの予測が立ちにくいからです。やみくもに歩数や距離をかせぐイメージではなく、1つの関節でより多くの筋肉を効率よく動かすことが運動だとイメージしてみましょう。

筋肉は、骨と骨の間をつないで伸び縮みすることで関節を動かす器官ですが、骨だけではなく、他の筋肉にもつながっていて、このことを筋連結と呼びます。より多くの筋連結が起こっている関節を動かせば、1つの動きで多くの筋肉を動員することができます。

股関節は、腹筋とお尻、骨盤内、太ももの筋肉によって動かされていますが、それらはさらに、胸や背中、頭に至るまで筋連結をつくっています。

筋力維持のための最小運動量は、利き手でないほうの腕をギプスで固定して動かなくさせて、最小単位の運動をして筋力が維持できているかどうかによって調べられます。

腕の筋力を対象とした実験では、握力の30%程度の力で1分間に1回のリズムで動かし、握力の70%程度の力で、2秒間動かして2秒間休む運動を10回、これを週2回の頻度で行えば、筋肉の機能は回復できることが明らかになっています。

 

入浴する体力のない日には両足首への「10秒シャワー」

入浴には様々な目的がありますが、そのひとつが睡眠の質を高めることです。

質のよい睡眠の条件は、眠り始めに深部体温が急激に低下することです。入浴で体力を消耗しやすければ、長時間お湯に浸からずに、深部体温を下げる効果を得ることを狙いましょう。

方法は簡単です。両足首に10秒ずつシャワーを当てましょう。足首が温まると、足の裏から放熱されて、深部体温が下がります。レンジでチンした蒸しタオルを足首に当てたり、シャワー後にレッグウォーマーを履いたりしても、放熱を促すことができます。

 

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