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生き方

高層階の住人は飲酒量が増える? ストレスを感じやすい人の特徴

渋谷昌三(目白大学名誉教授)

2022年09月25日 公開

 

飲酒家が高層階に住む主婦に多いナゾ

主婦のアルコール依存症が増加しています。夫の帰りが遅い、浮気をしているなどさまざまな理由から夫婦間が円満でないことが原因の1つといわれていますが、もう1つ、見逃せない理由が住環境です。

国立精神・神経センターが主婦に対して行った調査によると、居住空間が高層ビルなどの上の階に行けば行くほど飲酒頻度が高いという結果が出ています。

公団住宅や高層ビルに住む主婦1219人を対象に行った調査で、酒をよく飲む主婦の割合は5階くらいまでは10%程度なのに、10階になると約20%、15階以上では25%に達しました。

人間は常に新しい刺激で五感を刺激していないと 軽い混乱状態を経験することがあります。超高層マンションの上層部からは地上の風景や人も自然なども見えづらくなり、外からの物音も聞こえにくくなります。

このような環境に長時間いると、知らず知らずにストレスがたまり、アルコールに依存する人が増えるようです。頭痛、不眠、神経過敏などの症状を訴えるケースも増えてくるようです。

 

繁華街の雑踏はなぜか心地いい?

あなたは繁華街の雑踏は好きですか。心理学的には、たとえ田舎暮しを望んでいる人でも、どこか繁華街の雑踏には惹かれるところがあるようです。人が都会に憧れる理由の1つには、そこに形成される雑踏への潜在的な欲求があるといわれています。

雑踏にまぎれてしまうと、人は大勢の中の無名の通行人になることができます。そこでは、社会生活を送る上での、たとえば会社員や母親、先生といった役割を演じる必要はありません。つまり、演じ続けている社会的な役割、仮面から解き放たれ、日常生活の緊張感をほぐすことができるのです。

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