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相槌の苦手な人がやりがちな「なるほど」の多用

五百田達成(作家/心理カウンセラー)

2022年08月08日 公開 2024年12月16日 更新

相槌の苦手な人がやりがちな「なるほど」の多用

会話する際の相槌で便利なのが「なるほど」というフレーズ。しかし、多用してしまうと相手に軽薄な印象を与えかねないと、心理カウンセラーの五百田達成氏は指摘します。本稿では、プロのカウンセラーが使っている効果的な話の聞き方、相槌の打ち方を紹介します。

※本稿は、五百田達成著『話し方で損する人得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部を抜粋・編集したものです。

 

「なるほど」ばかり連発する人

あいづちは「ちゃんとあなたの話を聞いていますよ」ということを相手に伝えるために必要なものです。話していてもなんの反応もないと「伝わってるのかな?」と不安になりますし、さらには「この人ちゃんと私の話を聞いてるの?」と疑いたくなってしまいます。

一方で、ちゃんとあいづちを打たれているのに、話していてなぜか疲れてしまう人もいます。たとえば、しきりに「なるほど」を繰り返す人。実は、これは「損」な話し方なのです。

「なるほど」には、「あなたの話を理解しました」「納得できます」「共感できます」といったメッセージが込められています。本来は、好ましいあいづちのはずです。

しかし、あまりにも繰り返してしまうと嫌がられます。「なるほど」を繰り返すことで、「理解しました」というニュアンスから「はいはい、理解しました」「わかりましたってば」、果ては「わかったから早く切り上げてください」などというプレッシャーを与えてしまうからでしょう。

たたみかけるように「なるほど、なるほど」と言うと、急かしている感じになってしまいますし、軽薄な印象にもつながります。逆に「ほんとに聞いてくれてるのかな?」と思わせてしまうでしょう。

 

気の利いたあいづちより使えるワザ

「なるほど」を多用しがちな人は「オウム返し」をしてみましょう。
「...というあたりが問題なんですよ」
「問題なんですね」

「ひどい目にあっちゃったよ」
「ああ、ひどい目に...」

すべてを繰り返さなくても、相手の発言の一部を繰り返すだけで、相手は「聞いてくれている」と安心して、話を続けやすくなります。意外と多くの人ができていないのが「うなずき」です。

優秀なカウンセラーは10分のカウンセリングのあいだに3つくらいしか言葉を発しません。「そうなんですね」「嫌なんですね」「そうですか」くらいです。あとは「あー」とか「はいはい」など、余計な言葉は発せず、ひたすら黙ってうなずいています。

人はつい、あいづちを打たなければいけないと思ってしゃべるのですが、実は黙ってうなずくだけで「聞いてくれている」という安心感を相手に与えられます。

「なるほど」そのものがいけないわけではありません。単調に繰り返すことによって相手に悪印象を与えてしまうことを避けたいのです。あいづち上手になるためには、あいづちのバリエーションを増やす、もしくは、黙ってうなずくことで「得」な話し方になるはずです。

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