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土日が“60時間”に? 忙しくても自由時間を確保できるタスク管理術

清水克彦(政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師)

2022年11月01日 公開

 

土日は48時間ではない?

「お前、よく原稿なんか書いている時間があるね。平日はなかなか書けないだろうし、土曜日と日曜日にまとめて書いたって限界があるだろ?」

私は上司や同僚からよくこんなふうに声をかけられる。

本にするための原稿だけでなく、雑誌からの執筆依頼や大学の講義の準備、さらには、生まれ故郷、愛媛の放送局へのレギュラー出演など、抱えているものの量からすれば、そう思うのは当然かもしれない。

しかし、ここに数字のトリックがある。私はフリーの時間を土日の2日間48時間とは考えていないのだ。先に述べたように、私は、月~金曜日の5日間にやるべき仕事の大半を、月~木曜日の4日で片づけるようにしている。

そうすると、残りの金曜日は、物理的にも気分的にも楽な1日になるので、突発的な事件や政変でもない限り、ほぼ確実に午後5時にはラジオ局のオフィスを出ることができる。

つまり、金曜日だけで、フリーの時間が7時間もあるということになるのだ。

仕事が順調に進み、金曜日の早い段階で来週のアポイントや会議の準備が終わったときなど、気分的には午後の早い段階で、「今週の仕事はこれで終了」という感じになるので、事実上、金曜日だけで9~10時間も捻出できることになる。

これに、土日の48時間と、月曜日に出社するまでの数時間を加算すれば、60時間前後、自分の時間が持てる計算になるのだ。

「自分が自由にできる時間は土曜日と日曜日しかない。しかも、その2日間には家族サービスもしなければならないし、地域の自治会の用事もある...」などと考えると、自分の時間などほとんどないという気分になる。

しかし、「土日は48時間じゃない」と少し発想を変えるだけで、週末のオフの時間は、通常よりもはるかに長い時間になるのである。

もちろん、家族サービスや地域の行事への参加も重要なので、そのすべてが自分のために使える時間にはならないが、60時間もあれば、先々を見据えて何かをするには十分な時間といえるのではないだろうか。

また、リフレッシュしたいときにも、「土日は60時間もある」と思えば、2泊3日で遠出をしたり、中国や韓国などへの海外旅行だって楽しむことができるはずだ。

実は、このトリックは平日にもあてはまる。仕事が早く片づき、定時で帰ることができた日には、翌朝の出社まで十数時間もあると考えることができるのだ。

会社を出てから日付が変わるまでに7時間。その後、睡眠をはさんで、翌朝、出勤前に1時間でも時間が取れれば、平日のオフタイムに、最大で8時間も自分のために使える。

平日の場合、勤務先への往復の時間も考慮しなければならないが、人それぞれに何かテーマ性を持たせれば、たとえ片道1時間以上かかる通勤時間であっても、有益な時間にすることができるだろう。

○今日1日の戦略を練る時間

○スキルアップのために資格試験のテキストを読む時間

○新聞や雑誌で情報を仕込む時間

○睡眠不足の人なら、それを補う時間

といったように、自分にとってプラスになる時間に変えればいいのだ。そうすれば、会社を出てから翌朝出社するまでの時間が、すべて有意義な時間に変わることだろう。

 

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