3. ひまつぶし(現実逃避)
何かにハマっている人たちに、「なんで〇〇ばかりしているの」と問うと、「ひまだから」「退屈だから」という答えが多く返ってきます。
実はこの答えは大人気の回答です。便利なんです。本人としては、嘘をついているわけではなく、本当のことだったりします。しかし、私たちは本来なら"ひま"が怖くないはずです。ゆっくりできるし、何をしてもいい自由時間だからです。
しかし、「ひまをつぶしたい」と思ってしまうのはなぜでしょう。退屈が嫌いだからでしょうか? 刺激が欲しいのでしょうか? 時間がもったいないと感じるからでしょうか?
おそらくですが、何も没頭するものがないと困るからでしょう。何かに没頭していれば、嫌な気持ち、モヤモヤした気持ち、見たくない現実から目を逸らすことができるのです。ひまになってしまうと、ごまかせなくなります。これまでフタをしていた、嫌な現実がつきつけられてしまうのです。
たとえば、職場でうまくいかない場合、そんな自分の状況を忘れたいぐらいつらいかもしれません。そうした気持ちを一瞬でも忘れたいから、ゲームやスマホに没頭しているかもしれません。
私が相談を受けた人の中には、「明日の試験勉強が嫌過ぎる」という理由で朝までゲームをし続けていた大学生もいました。他にも、「ゲームの代わりにお酒やタバコ、ギャンブルに甘いもの」などが当てはまるかもしれません。
4. 体の感覚
子育て中の女性が、「イライラして、家族が寝静まった後にお菓子を食べちゃうんです」とおっしゃっていました。よくよく聞くと、イライラするときには決まってスナック菓子をボリボリ食べるのだそうです。
一定のリズムで噛みしめることで、振動や歯ごたえがちょっとしたストレス解消になっているのかもしれません。また、ある人は「お酒を飲んでぽわーんとなった感じがいいんだよね」と言います。これもまた体の感覚ですね。
このように、やめられない行動をしてしまう理由として、それをすることで、得ている体の感覚がたまらないということが考えられます。
あなたは、4つの理由の中でひとつでもピンとくるものがありましたか? 中には、4つとも当てはまるという方もいらっしゃるでしょう。
どれもピンとこないという方は、次に、「そのやめられない習慣をしている最中に、自分をよく観察」してみてください。
一体私はどうして「スマホを見続けているのかな?」「達成感があるのかな?」「続きが気になるのかな?」「誰かとつながりたいのかな?」「何か忘れたいことがあるのかな?」といった具合にです。
やめられない理由について、穏やかに自分に聞いてあげてください。決して「いつまでもスマホで動画観てるんじゃないよ。最低だ!」なんて、自分に厳しい言葉をかけないでください。
もっと素朴に、「ん? この動画って本当に観たいのかな、私」「あれ? 今欲しいものってなんだろう」と呟いてみるのです。本当に欲しかったものに、目を向けてみましょう。