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気づけばスマホに数時間...「やめたくてもやめられない」悪習慣の根本原因4つ

中島美鈴(臨床心理士/公認心理師/心理学博士)

2023年06月16日 公開

動画やゲーム、SNSなど、やめたいと思っているのについつい見てしまう...。多くの人がそんな悩みを抱えています。なぜ悪習慣は簡単にはやめることが出来ないのでしょうか? 心理士の中島美鈴さんが、4つの原因について解説します。

※本稿は、中島美鈴著『脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート』(すばる舎)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

悪習慣がやめられない4つの理由

悪習慣がやめられない「4つの理由」は次の通りです。

1. すぐに得られる達成感
2. 誰かと一緒にできる/注目される
3. ひまつぶし(現実逃避)
4. 体の感覚

 ひとつずつ解説していきます。

 

1.すぐに得られる達成感

ゲームはかけた時間、磨いた技、課金した分だけ、即座にレベルが上がったり、強くなったりします。現実世界では、努力に見合う報酬が即座に得られることはなかなかありません。

野球の練習を10分がんばったからといって、すぐにレギュラーになれるわけではないし、英語の勉強を数年がんばったとしても、ペラペラになれる人はなかなかいません。

こんな現実世界と対照的に、ゲームの世界では比較的簡単に達成感を得ることができます。まるで、自分がスーパーヒーローになったかのように感じられます。これが私たちを虜にするのです。

ゲーム以外でも言えるかもしれません。SNSの中では、自分の良い面だけを見せて、「いいね!」をもらって、リア充で好きな自分になれるというのもそれに近いでしょう。

また、動画配信サービスの中では、過去に見逃した連続ドラマをまとめて観ることができます。漫画も映画もそうでしょう。

また、YouTubeなどの動画はひとつずつは10分程度の短いものが多いですが、次々に関連動画をおすすめされてしまいます。なんらかの「ストーリー」のあるものに関しては、人は引き込まれてしまいます。ある種の共感や好奇心のようなものが働いてしまうのです。

「続きが気になる!」と思ったときにすぐに観ることができてしまうのが、動画配信サービスに病みつきになるポイントなのです。

昔の連続ドラマならば、どんなに続きが気になっても、次回まで待つ必要があったため、気になりつつも、しかたなく日常を送ることができました。でも、ネット動画は無限に即座に欲求を満たしてくれます。

一般的に、何かしたことに対して、レベルが上がるなどの報酬が即座にあると、人はどんどんそれにのめり込むことがわかっています。

反対に、報酬が遅れると、人は熱心に取り組まなくなります。がんばっても給料は上がらないし、支払いも遅れる会社で働いているようなものです。

ちなみに、報酬が必ずしも毎回出るわけではないけど、気まぐれに出たり出なかったりすると(そして、それがたまにだとしても高い報酬だったとしたら)、人はもっとのめり込むことがわかっています。これがギャンブルの仕組みです。

 

2. 誰かと一緒にできる/注目される

オンラインゲームでは「じゃあ、今日も19時にゲームで待ち合わせね」なんて約束をして、一緒にゲームの世界を旅したり、戦ったりするそうです。中には、ゲームそのものに興味がなくても、友達と交流したいからしているという人もいるほどです。

また、ゲームが強くなると、ファンが増えて、カリスマ的な存在になれるそうです。ファンの中にはそのカリスマに、いろんな贈り物(オンラインで使える金券代わりのパスコードなど)を送ることもあるとか。この注目は病みつきになりそうですね。

さらに、SNSの「いいね!」の数やフォロワーの数で、自分の評価が左右されるような気持ちになる人もいます。

食事に行っても、目の前の友達よりも、SNSに投稿する写真撮影に夢中になっている人もいます。これらは、「注目されたい」「愛されているかどうかを確かめたい」といった理由だと言えます。

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3. ひまつぶし(現実逃避)

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