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生き方

ハーバード大教授が明かす「不安な感情をコントロールする」5つのステップ

ロバート・ウォールディンガー(ハーバード大学医学大学院教授)、マーク・シュルツ(ハーバード成人発達研究副責任者)

2023年07月19日 公開 2023年12月19日 更新

 

第4ステップ...実行(トライするなら慎重に)

いよいよ、選択した対応策をできる限りうまく実行するステップだ。じっくり状況を観察・解釈し、対応策の選択肢とその成功の可能性をよく検討していれば、うまくいく確率も上がる。

とはいえ、プリンの味を確かめるには、食べてみるしかない。理にかなった対応策も、うまく実行できなければ失敗する。

そこで役に立つのが練習だ。頭の中でシミュレーションしてもいいし、信頼できる人を練習台にしてもいい。また、うまくやれることとやれないことを最初に洗い出しておくと成功の確率が高まる。

相手がジョークが好きな人なら、ユーモアのセンスを発揮するといい反応が引き出せる。穏やかなやりとりのほうが好きな人もいて、その場合は人目につかない場所で静かに話し合うほうがお互いに安心できる。

 

第5ステップ...振り返り(反省は役に立つ)

行動を起こした結果はうまくいったといえるだろうか? 状況はよくなったのか、それとも悪くなったか? 自分が直面している問題について新たな学びや最善の対応策を得ることができただろうか?

問題への対応の振り返りを行うと、将来役に立つことがある。経験から学んでこそ、真の意味で賢くなれる。振り返りは、今起きたばかりの出来事だけではなく、過去に起こり、記憶にずっと残っているどんな出来事に対しても行える。

WISERモデル自体、一度に考えるには項目が多すぎるように思えるかもしれない。だが、心配は無用だ。私たちは日頃から、無意識のうちにWISERモデルのステップの多くを実践しているものだ。

それに、日常生活の問題の9割は、これほど細かく振り返る必要はない。同時に、残りの1割の問題に関しては、行き詰まりを感じたり、自分の行動がうまくいっていないと気づいているものだ。WISERモデルと質問リストは、そうした問題のための一種のガイドだと考えてほしい。

すべてが終わったとき、何が、なぜ起きたのかを振り返れば、見逃していたことに気づき、感情の連鎖反応が起きた原因や結果を理解することができる。

経験から学び、次はもっとうまくやろうと努力するなら、人間関係の試練を単に乗り切る以上の何かを得られるはずだ。必ず振り返りを行うこと。

そうすれば、次に同じような状況にはまったとき、一呼吸おいて状況を観察し、目標を明確にし、対応策の選択肢を検討し、人生のコンパスの針を正しい方向に向けることができる。

 

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