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医師が教える「熱中症になりやすい人」の特徴 高齢者に加えて注意すべきなのは?

山口順子(日本大学医学部附属板橋病院 救命救急センター科長)

2024年06月27日 公開

熱中症の応急処置

①涼しい場所に移動する

エアコンの効いた室内や、屋外なら建物の陰や木陰など、なるべく涼しい場所に移動しましょう。

②体を冷やす

衣服のボタンを開けたりベルトをゆるめたりして、体の熱を逃がしましょう。氷や冷えたペットボトルなどで首の周りやわきの下、脚の付け根などを冷やすのも効果的です。霧吹きで体を濡らし、うちわであおぐなどして気化熱で熱を逃がす方法も効果があります。

③水分・塩分を補給する

水よりも、塩分などを含んだスポーツドリンクや経口補水液のほうが、体にすみやかに吸収されます。

 

※これらの対処で症状が改善しない場合は、ためらわずに救急車を呼び、救急隊員や医師など専門家の指示を仰ぎましょう。

 

「夏の冷え」にもご用心

人間の体は、自律神経のバランスによって血圧や体温が一定の範囲に保たれています。夏の暑さに加えて、エアコンや扇風機の風による冷えが自律神経を乱し、不調の原因になることも。体が冷えすぎないよう気をつけることが大切です。

【心がけたい、夏の冷え対策】

・エアコンで室温を一定に保つ

熱中症を防ぐためにもエアコンは適切に使用するべきですが、冷やしすぎはよくありません。急激な温度変化が体へのストレスになることもあります。熱中症予防のポイントでも述べたように、26~28℃を目安に室温を一定に保つようにしましょう。

・温度調整のしやすい服装を

一般的に女性は男性に比べて筋肉量が少なく、熱の生産量も少なくなるため、エアコンの効いた場所では冷えやすくなります。カーディガンやストールなど、冷えを感じた際に羽織るものを準備しておきましょう。

・消化によい食事をとる

暑いからといって冷たいものをとりすぎないようにしましょう。また、夏は気分が開放的になり、つい飲みすぎ食べすぎになりがちですが、暴飲暴食が体調を崩すきっかけになることも。食事は消化のよいものを中心にして、お酒はほろ酔い程度にしておけば、自律神経の安定にもプラスになります。

・ぬるめのお風呂で入浴

夏はシャワーだけですませる人もいますが、37~39℃くらいのぬるめのお風呂にゆっくりつかるのがおすすめです。リラックス効果があり、睡眠の改善にもつながります。

・夏こそしっかり睡眠を

日が長い夏は夜ふかしをしがちですが、睡眠時間をしっかりとりましょう。近年は熱帯夜になることも多いので、睡眠の質を保つためにも、エアコンは夜通しつけておくのがベターです。

 

著者紹介

山口順子(やまぐち・じゅんこ)

日本大学医学部附属板橋病院 救命救急センター科長

日本大学医学部卒業後、同医学部附属板橋病院の救命救急科(現・救命救急センター)に勤務。救急医療の指導に関わる国際レベルの資格を数多く取得するとともに、救急指導医として現場を指揮。救急医療の知識の啓発活動にも力を入れている。

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